「婦人服を10着買ったら9着返品が当たり前」というのが、いまの中国の婦人服のネットショッピングの現状だ。
婦人服の返品率は昔から高かったが、今年は特にひどいという。
最近、「ダブル11婦人服の返品率が史上最高」の話題が中国SNSのトレンド入りした。
中国メディア「第一財経」が、婦人服チェーンの責任者の話を引用して報じたところによると、「昨年の返品率は約60%であったが、今年は75~80%だ」という。返品率が80~90%にも達する業者さえいるのだ。
なぜ返品をする?
いっぽう、消費者側も「広告の品と実物があまりにイメージが違い過ぎる」「質が悪い」「サイズが合わない」「着てみたら似合わなかった」などの理由で返品をしており、実物がいざ届いたら「がっかり」というケースも多い。
江蘇省の消費者権益保護協会は「ネットショッピングでは、消費者が商品を実際に目で見たり触ったりすることができないのをいいことに、多くの店では婦人服のモデル画像に画像処理を施したり、他社画像をそのまま持って来て使用したりしている。また、服装の材質や詳しいサイズを商品ページに載せていない店もあり、そうして商品が実際に消費者の手に届くと、イメージしていた色とあまりに違いがあり過ぎる、サイズが合わない、品質問題などが生じ、消費者はがっかりする」と指摘している。
中国SNSには「タオバオ(淘宝、最大級のECプラットフォーム)」が婦人服店主の「泣き声」であふれている。
「2千個の注文のうち、1500個を返品された」と泣く店主もいれば、「この業界で長いが、過去2年は返品率が本当に高すぎる。『本当に合わなかった』の理由以外にも、一度着た後に返品をするなどの、ただで服を着てみるという悪意ある消費者もいて、物流コストがかかるだけでなく、次の販売に影響が出る」と嘆くしかない店主もいる。
いまでは、ECサイトでの婦人服販売は「大変なうえに儲からない」というイメージが定着しており、今年以来、かつての人気店も含む多くの婦人服ネットショップが閉店ラッシュなのである。
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