中国の銀行部門はいま、未曾有の危機的状況にある。
「銀行員減給・ボーナスカット」といった話は中国SNSにあふれており、「いつ破綻してもおかしくない」と一部専門家も指摘するほど、本当に危ないようだ。
今月6日、減給・離職を求められて絶望した中国の銀行員がオフィスで首吊りをしたことがわかった。幸い、同僚によって救助され、未遂に終わった。
中国メディアが報じたところによると、同銀行員が勤めるのは中国5大国有商業銀行の一つ「中国交通銀行」の重慶支店だ。彼は7年間働いたベテラン行員だそうだ。
同僚によって「自殺」を阻まれた同行員はとても興奮状態であり、自身が受けた不当な仕打ちについて大声で訴える同行員の動画がSNSに流出し、物議を醸した。
(当時の様子)
同銀行の職員によれば、「重慶支店では昨年から職員の減給を開始し、職員が自ら辞職するよう迫っていた」。また、契約満了時には更新を行わず、勤務年数をゼロにしたうえで、新たな「外部の業務委託契約」を結ばせてきたという。
銀行職員らの固定給は月3千元(約6万円)にまで減額されたため、多くのベテラン職員はやむ無く減給に同意するか、あるいは離職を余儀なくされた。
ネット上では、「銀行ってそこまで苦しくなったのか?」、「銀行員といえば、昔ならば誰もが憧れる職業だったのに」「銀行ですら(社員を)養えないとなると、その辺の中小企業ならば尚更だ。それだから今の企業は募集しないのか」といった嘆きが広がっている。
なかには、「うちの会社もそんな感じだ。何かと口実つけて休ませられるし、基本給しかもらえないのに、その基本給ですら、もう数か月ももらってない。会社は退職金とか出したくないからそうやって職員が自ら辞めるよう仕向けている。汚すぎるやり方だ、しかし、仕方がない、どこの会社もいまは苦しいし、みんな同じことをやってる」といった声も多く寄せられている。
近年、中国経済は不景気で、銀行にも人員削減の嵐が吹き荒れている。
中国の金融情報サービス大手「ウインド(万得信息技術)のデータおよび各銀行が開示した報告書などのデータによれば、今年上半期、中国の上場銀行42行の従業員総数は256万人と年初に比べ約3万8千人減少した。このうち、32行で従業員数が減少し、30行で従業員の平均月給が減少している。
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