社会問題 ある日銀行預金を不当に凍結される。

「グルになって悪事を働く汚職役人たちよ、ロクな死に方しないぞ」 裁判所の外壁に落書き=中国

2024/11/04
更新: 2024/11/04

「狗官(悪徳役人、汚職役人)」
「狼狽為奸(ぐるになって悪事を働く)」
「官官相護(官僚同士が互いに庇いあう)」
「貪贓枉法(法を踏みにじり腐敗を行う)」
「不得好死(ロクな死に方しないぞ)」

最近、中国河南省にある「高級裁判所」の外壁が派手に落書き(上記の罵り言葉を赤文字で)されたようだ。

1日に現場の画像がSNSに投稿されたことから推測するに、落書したのはその前日の夜ではないかとされる。「落書犯」は、何年も銀行預金を不当に凍結された同省銀行の預金者だとしている。

これらの預金者が河南省の地方銀行に預けた預金は、今もなお凍結されており、引き出すことができないのだ。

預金者らは長年にわたり「預金凍結の解除」を求めて抗議をしてきたが、そのたびに政府が派遣する警察官たちが暴力的に鎮圧してきた。

現場を映した画像には預金者たちが受けてきた様々な不公平に関する「涙の告訴」(下記)を映し出している。

その中の一つに「何度も健康コードを赤に変更された」というものがある。

健康コードは新型コロナウイルス感染リスクを評価するスマートフォンアプリで、個人の健康状態や行動履歴を分析し、感染リスクを緑・黄・赤の3段階で表示し、その色によって、公共施設の利用や移動の可否を決める。

健康コードが赤に変更されると、自由な移動や社会活動を著しく制限している。

その他、近年、銀行が預金者の預金を凍結するケースが多発しており、凍結された被害者が書いた怒りの訴えも書かれている。

「『弁償する』は真っ赤なウソだった」

「普通預金が不当に凍結された」

「すべての部門が預金凍結書類を出すのを拒んでいる」

「河南省の村銀行、河南農商連合銀行よ、私の預金を返せ!」

 

中国河南省の地方銀行から預金を引き出せなくなった預金者たちが「河南省銀保監局」前で抗議をする様子、2022年6月25日(取材先より提供)

ある日突然、預金を引き出せなくなった……

今から2年以上前の2022年4月、河南省と安徽省の複数の銀行は顧客の全ての預金を凍結した。預金者が受けた被害の規模は400億元(約8172億円)に上る。影響は約40万人に及んだ。

落書画像にあった預金者の訴えの言葉「『補償する』は真っ赤のウソだった」にあるように、現地政府は「問題を解決する」というが、実際には全く解決していない。(補償されたのはごくわずかで、ほとんどが様々な理由をつけて補償を行わないのが実情)

預金返還を求めて、これまでにもたびたび、預金者らが集まって抗議活動を行ってきたが、これに対して現地当局は、抗議者への暴力を含む逮捕や抗議活動の妨害など、容赦ない鎮圧を行ってきた。

預金者らによる抗議や彼らに対する鎮圧などの話題は中国のネット上で検閲しており、外部がその「実態」について知ることは極めて困難な状況だ。

 

(「銀行は我われの預金を返せ」などと書かれた複数の横断幕を掲げて抗議する預金者たち、河南省、2023年4月2日)
 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!