中国共産党(中共)統治下の中国大陸では、官僚の腐敗が蔓延し、あらゆる監督は全く行き届いていない。どこまでも利益追求する風潮は、学校でも蔓延し、学生の食卓に「ネズミの頭」から、「コンドーム」まであらゆる異物が混入し、「食事が腐ってる」といった問題も時折ニュースになっている。
そんななか、今月16日、中国雲南省昆明市にある小学校「長豊学校」食堂で「製造日が2015年」と表示された9年前の腐った肉を生徒に食べさせているとして、生徒の保護者がSNSに訴えた。
動画の中では、学校の厨房の作業台の上に置かれた大きなボウルの中に入った大量の解凍済みの生肉を指さして、食堂スタッフに対して怒り狂う生徒の保護者の姿があった。(冷凍食品の賞味期限は普通で2~3年 工場談)
「すぐに110番通報してやる!」
「肉が全部臭うよ! よくもまあこんなものを子供たちに食べさせているな」
「あなたたちには良心ってものがないのか? 自分の鼻で嗅いでみろ!」
(問題の学校厨房の様子)
責任逃避
関連動画がSNSで拡散され、利益追求する学校側や監督不行き届きの政府に対し罵声が飛び交った。
怒涛の世論を前に、問題の学校と政府関連部門、食堂を請け負う関連企業などは17日、生徒の保護者に向けた2時間に及ぶ「会議」を開いた。
しかし、会議というのは形式上のモノで、問題解決には程遠いものだったと保護者たちは指摘する。「すべては料理人のせい」とし、学校も政府も責任回避をして、全く「誠実ではない対応」をとっているという。
会議では、保護者たちから「学校食堂の運営を請け負う企業は今年5月に設立したばかりの新しい会社だ、ちゃんと入札手続きを経たのか」などの質問が出されたが、この質問に答える人はいなかったという。
挙句のはてには、学校運営のトップ王傑理事長が、生徒保護者の質問を無視して、「行かないで!」という保護者たちの叫びも聞こえないふりして手をポケットに突っ込んだまま颯爽と会場を立ち去ったという。
(17日の会議の様子)
いっぽう、騒ぎ立てる保護者には学校から「これ以上騒ぐと子供が学校でどうなるかわからんぞ」などと脅され、お金でその口を封じようとしていることも判明した。
一部の保護者が脅されている事実については会議でも提起され、「脅迫者は誰だ」と他の保護者たちが憤慨する。
どこまでも「不誠実」な学校側の対応に、「あなたたちに子供はいないのか? 良心の呵責は感じないのか?」と保護者たちは怒り狂い、猛烈に抗議をする。
中国メディアによると、この学校に通う多くの学生は学校の食堂で食事を取った後、下痢や腹痛、嘔吐などの症状が起き、何度も病院に通っているという。
保護者によれば、「学校の食堂問題は過去に何度も指摘してきたが、そのたび学級主任によってもみ消されてきた」
以前、クラスのチャットグループ内で、ある保護者が、教師に対し食堂の安全問題について論じていたら、直接グループメンバーから削除されたこともある、学校の先生も警備員も、絶対に食堂のごはんは食べないのだという。
問題の学校は地元では有名で、学生保護者によれば、年間学費は2万6千元(約55万円)で、食事代は別、1食につき14元(約300円)、学生たちは昼食や夕食を学校食堂で食べるという。
中国メディア「上遊新聞」によれば、問題の学校「長豊学校」の王傑理事長は、学校や幼稚園、訓練機関など27の企業を傘下に持っている。
皮肉なことに、「長豊学校」は今年1月、「2023年度中国最優秀雇用主」の昆明市のトップ10に入っていた。
(学校厨房の様子や17日の会議の様子)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。