中国の観光業界は今年の「10・1連休」を「史上最悪の悲惨な連休」と呼んでいるそうだ。
中国の国営「新華社通信」は、「10・1連休期間中」は国内外への旅行や帰省などでのべ19億人以上が一斉に移動すると報じ、旅行・観光業界の繁盛をアピールしたのだが、実際には、多くの人が遊びに出かけているが、「あまりお金を使ってくれない」と、観光地では悲鳴が上がっているのだ。
香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、「今年は観光客はお金を使いたがらない、一見繁栄しているかのように見えるが、その背後に深刻な危機が潜んでいる」と評している。
高級旅行に力を入れている中国の旅行社「Dear Voyage(海豚哆哆)」の責任者・文禄氏も、「こんな悲惨な連休業績を見たことがない。客の数が最も少ないオフシーズンよりもひどい」と嘆く。
「うちだけではない、全国各地の旅行社はどこも同じ、みんな失望しているよ」と文禄氏は付け加えた。
「中国のハワイ」と称されるリゾート地の海南省三亜市で、旅行代理店を経営する沈千宇氏によれば、「この連休中、ほとんどのホテルは値上げをしなかった。それなのに客室の予約率は昨年の60~65%にとどまっている」と明かしている。
古来、多くの漢詩の題材にもなり、伝説の仙境(仙人が住む世界)を彷彿とさせるような独特の景観で世界的に有名な景勝地「黄山(こうざん)」では、毎年、違う意味で「大混雑」するトイレ光景がもはや社会問題化している。
中国のポータルサイト大手「ネットイース(網易)」に掲載された文章は「黄山では景勝地の客室1700室は空いているのに、観光客はみなトイレで夜を明かした」という。しかし、同文章は当局が作り出そうとする「繁栄イメージ」とそぐわないためか、後に削除している。
ネット上の「黄山宿泊攻略」の「貧乏人プラン」には、「豪華なトイレ」や「フードコートのベンチ」などで一夜を過ごすことができると書かれているのだ。
有名観光地の「青海省」ではどうか。旅行誌「旅行地帯」の創立者の張浩希氏によれば、「青海のある高級ホテルの連休中の客室稼働率はわずか30%だった」と明かしている。
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