命からがら「盗撮犯罪の地」から逃げ出した中国のインフルエンサー「影子不会説謊(邦訳:影はウソをつかない、以下『影さん』)」は23日、石家荘の盗撮ビジネスをめぐる、自身の一連の遭遇をSNSに投稿し、物議を醸した。
「事件」のきっかけは、今月15日に「影さん」のもとに寄せられた、「盗撮カメラがある」とする民宿利用者の声だ。
さっそく問題の民宿へ乗り込んだ「影さん」とその仲間はエアコンホースの中に仕込まれた監視カメラを見つけ出し、110番通報した。しかし、やってきたのは警察ではなく、民宿オーナーおよびその取り巻きだった。
民宿オーナーは「影さん」に対し、「監視カメラは自分の携帯電話とつながっている」ことを認めたうえで、SNS投稿動画の削除を求めた。
「影さん」がこの要求を拒むと、オーナーとその取り巻きから脅迫され、集団暴行を加えられ、加害側の人間は「あいつら(影さんとその仲間)をエレベーターのなかに押し込め!」「管理会社に言って電気を消させろ、この2人をここでなぶり殺す」などと叫んでいたという。
修羅場の中、警察はようやくやってきて、影さんたちを連れ出した。しかし、影さんたちのいる「派出所」は宿主側の人間によって取り囲まれ、出るにも出られない状況が明け方の4時まで続いたという。
影さんたちの自動車のタイヤは空気を抜かれ、ナンバープレートまでも何者かによって破壊されていた。何はともあれ、「危なすぎる現地」から、影さんたちは命からがら逃げ出し、23日にこの件についてネットを通じて暴いた。
翌日(24日)、現地公安当局は「問題の盗撮カメラを設置した男3人を逮捕し、男らは民宿のオーナーと面識はない」と発表した。
当局発表をめぐっては、世論が反発しており、「なぜ110番通報した後、警察より先に民宿オーナーが来たことの説明はないのか」「民宿オーナーも警察もグルだ」といった非難が殺到している。
(その時の様子)
「盗撮」はいたるところに
「影さん」の遭遇がネットで注目され、「中国における盗撮ビジネスの実態」について中国メディア(「第一財経」など)も取り上げ報道している。
それによると、「宿泊客の盗撮映像は大体は業者の手に渡る」という。
ある民宿スタッフは、「部屋のなかに盗撮カメラを設置して、部屋内の様子をプラットフォームで生中継するビジネス」を数年前から業者から持ちかけられていると明かした。
そのビジネスとは、「豪華な客室と超格安の宿泊料金をエサに宿泊客を集め、盗撮映像を売る」というとても儲かるいい商売だそうだ。
「特に、学校や景勝地付近のラブホやテーマ部屋が、盗撮カメラが設置されている可能性が高い」と民宿スタッフは警鐘を鳴らす。
このような盗撮ビジネスが昔から存在し、横行しているのになかなか取り締まられていない現状があることで、「これは中共当局が黙認しているのか」と指摘する声も上がっている。
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