最近、中国で「高所からのポイ捨て」事件がたて続けに起きている。
それも、投げ落とされるものは「糞便」など、目を疑うものばかりだ。
「ゴミ」
「ようやく犯人を捕まえました! 住民の皆さんは安心して地上を歩けますよ」
江西省鷹潭市、貴渓市の集合住宅地で最近、ガラスなどのゴミが上層階から投げ落とされる事件が発生した。「ゴミ」は地上を歩いていた住民のヘルメットに当たり、軽い脳震とうを起こしたという。
中国メディアが報じたのは、高所から投げ落とされた「ゴミ」が、人に直撃して破損したヘルメットの画像には、大きな亀裂が入っていた。
「ヘルメットを被っていなかったら、あれで死んでいたのかもしれない、ヘルメットのおかげで命拾いした……」などと、のんきな事も言っていられない。この凶悪事件を知った住民たちは大騒ぎになり、「犯人逮捕」を強く求めた。
しかし、「事件現場」には監視カメラが設置されておらず、目撃者もいなかった。通報を受けた現地公安当局は、ゴミに入っていた物から採取したデータと照らし合わせて犯人を見つけ出すために、集合住宅に住む全住民のDNA検査を行うと通知した。
もちろん、「出頭すれば軽い処罰で済むぞ」のひと言も忘れなかった。
すると、翌日、犯人は自首し、刑事処分を受けたという。
「難事件」解決後、集合住宅の警備会社責任者は、現地公安当局に感謝の錦の旗まで献上したという。
「糞便」
江蘇省蘇州市、崑山市の集合住宅地でも17日に、同様の「ポイ捨て事件」が起きた。
しかし、投げ落とされたものはゴミの類というよりは、信じられないことに、なんと、人間の糞便だった。
糞便が家の窓などについたとして、住民が110番通報をし、こちらの集合住宅も犯人を特定するため、全住民がDNA検査を受けるはめになった。
こちらも「DNA検査」の知らせを聞きつけた犯人はプレッシャーに耐えきれず、自首したという。
「高所からのポイ捨て」は犯罪
中国では、高層マンションなどの高所から物を故意に投げ捨てる行為は犯罪と見なされ、懲役や終身刑、死刑もあり得る。しかし、「人的、物的被害がなければセーフなのか」?
先月2日、北京市の裁判所は「人的および物的被害がなかった」高所からのポイ捨て事件を審議した。
ガラス瓶や缶などのゴミを9階から投げ落とした被告は、一審判決で執行猶予付き5か月の懲役刑と2千元(約4万円)の罰金を言い渡された。被告は上訴をしないという。
例え卵であっても、18階から投げ落とされれば人間の頭蓋骨を割る威力を持つ。25階から投げ落とされた卵が直撃すれば人間を死に至らせることもあるとして、中国メディアは「高所からのポイ捨ての危険性」を知らせ、「マナー向上」が呼びかけいる。
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