中国の日本人学校バスに警備員配置で子供の安全確保 日本人母子切り付け事件受け=外務省

2024/09/19
更新: 2024/09/20

外務省は6月に中国東部の江蘇省蘇州で起きた日本人母子切り付け事件を踏まえ、日本人学校に通う子供の安全確保を徹底するため、来年度予算案の概算要求にスクールバスの警備員を配置する費用として3億5千万円を計上する。バス1台当たり警備員1人を配置する予定だ。

外務省の海外在留邦人数調査統計によると、中国の在留邦人は10万1786人おり、未成年者は2万人。北京や上海、香港などに11の日本人学校が存在し、3300人以上が通学している。

6月、江蘇省蘇州市で、スクールバスを待っていた日本人母子ら3人が刃物を持った中国人の男に切りつけられる事件が発生。事件が起きた際、子供を世話するためスクールバスに同乗していた中国人女性の胡友平さんが子供を守ろうと男を制止しようとしたが、男に刺され、倒れた後も刺され続けた。

胡さんのおかげで日本人の未就学の男児は事件から逃れることができたが、胡さんは意識不明の重体となり死亡した。

北京の在中国日本大使館は半旗を掲げて弔意を示した。金杉憲治・駐中国大使は「日本政府、国民を代表し、勇気ある行動に深い敬意を表すとともに、心からのお悔やみを申し上げる」と表明した。

この事件の経緯について、中共外交部が「偶発的」と説明し、日本人を狙ったものでないことを示唆した。外交筋によると、日本政府は事件の情報提供を求めたが、中共側は動機などを明らかにしておらず詳細は不明のままだ。

時事評論家の唐靖遠氏は「実際、これらの事件は、中共が長年にわたり推進してきた外国人排斥や反西側のプロパガンダと深く関連している。特に、今回の2件の事件は米国と日本が標的であり、近年中共による反米・反日プロパガンダの強化が顕著な対象国だ」との見方を示した。

時事評論家の秦鵬氏も「日本政府は国際的な常識に則って行動し、生命を大切にする姿勢に感謝の意を表した。対照的に、中共政府の対応は虚偽に満ちており、事件発生後の外交部の態度は冷淡で、責任を転嫁し、ただの『偶然の事故』として処理しようとした」と述べた。

最近も、18日午前8時頃、広東省深センにある日本人学校の男児(10)が徒歩で登校中、男性に襲われ負傷する事件が発生した。地元の病院に搬送された後、19日未明に死亡が確認された。容疑者の男(44)はすでに当局によって身柄を確保され取り調べが行われているが、日本側には動機など詳細な情報は伝えられていない。

北京の在中国日本大使館は19日、日の丸の半旗を掲げて弔意を示した。上川陽子外相は同日、記者団に対し、「深い悲しみを禁じ得ない。登校中の児童に卑劣な行為が行われ、誠に遺憾だ」と述べたうえで「こうした事案はあってはならない。中国側にしっかりと申し入れし、対策の具体化を図るべく最善の努力をしていく」と強調した。

林芳正官房長官も記者会見で「子どもを襲うという卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾」と表明した。

大紀元日本 STAFF
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