社会問題 ドリアンや梨は安いというが……

中国で金欠の「十五夜」 「売れない」「買えない」

2024/09/18
更新: 2024/09/18

昨日(17日)は「中秋の名月十五夜)」だった。中国で、この日は「中秋節」と呼ばれており、家族団らんで夜空の月を見ながら、満月をかたどった焼き菓子の月餅(げっぺい)を食べるのが華人圏の慣わしとなっている。

月餅のほかにも、「上海ガニ」も中秋節の一家団欒の食卓に欠かせない一品となっている。

しかし、今年の「中秋節」では、過去ではプレゼント用にしても、自家用にしても「必須品」だった月餅も上海ガニも、売れ行きが芳しくないのだ。

上海ガニの販売を手掛ける董さんは最近、中国メディア「中新経緯」に対し、「今年の上海ガニの販売量は以前と比べると数倍落ちている。例年は黒字だった、しかし、今年は赤字だ」と訴えた。

売れ行き不振の主要な原因として指摘されるのは、やはり「みんなお金がない」からだ。

今年は猛暑に伴う養殖地の水温上昇の影響により、「上海ガニ」は大量死している。それに追い打ちをかけるかのように、著名な養殖場の「陽澄湖(蘇州市)」では台風の影響で囲いの網などが破壊され、「上海ガニ」たちが集団脱走。

そのような背景もあり、価格高騰の運命は避けられない「上海ガニ」をめぐって、中国のSNSでは「高すぎる、買えないよ」といった悲鳴があふれている。

いっぽう、秋の旬の果物である梨、なかでも、「梨のエルメス」と称される「秋月梨」やドリアンの価格は下落しており、各地の露店や市場で目を疑う価格で安売りセールが行われている。

街の道端の露店で行われているドリアンの安売りセールの様子(SNSより)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!