社会問題 「嵐」の後の店内は見るも無残な状況

中国で「倒産」の噂、スーパーマーケットに買い物客殺到、一部「略奪」行為

2024/09/09
更新: 2024/09/09

中国河南省商丘市柘城県にあるスーパーマーケットで、一部の市民による「集団略奪」が起きた事件は、華人圏を騒がせている。

きっかけは、「店はまもなく閉店する」という噂が発端だという。

中国メディアによると、この噂を聞きつけた会員たちは、「事前にチャージした会員証が使えなくなる」と心配になり、スーパーマーケットに押し寄せた。

しかし、なかには一部市民による商品略奪も起き、会計前の商品を店内で食べたり飲んだりする無法者まで現れた。

「嵐」が去った後、床には壊れた商品の一部が散乱するなど、店内はめちゃくちゃになって商品が一掃されていた。

その様子を捉えた動画はSNSに多く流れ、見るも無残な状況になった店内の様子を見たネットユーザーから、「教養がなさすぎ」「店が可哀そう」といった非難が殺到している。

被害を受けたスーパーマーケットの職員は6日、中国メディアの取材に応じて状況を説明した。それによると、事件が起きたのは4日午後4時ごろで、「店閉鎖の噂を聞きつけた一部のお客さんがパニックを引き起こして、買い物しようと殺到した」

「その時の来店客数はいつもの約100倍はあった」

歩けなくなるほどの混雑ぶりで、この事態に当日の営業時間の延長を余儀なくされ、約50人ほどの警察も安定維持にやってきたという。

ネット上で噂されている「集団略奪」について、同意する職員は「多くのお客さんは事前にチャージしていた会員カードを使って買い物していた」と主張しているが、「大規模な窃盗や強奪ははなかったものの、会計前の商品をその場で飲み食いする人は多かった」と認めている。

現地当局によると、「店閉鎖の噂」はデマ。現在、被害を受けた店は数日間営業停止し、商品補充後に営業の再開を公表している。

しかし、このスーパーマーケットの閉店が迫っているという噂は完全なデマでもなさそうだ。

企業の信用調査を行えるアプリ「天眼査」には、(8月28日時点)被害を受けた店を所有する企業が1億円近い(490万元)債権を踏み倒したことを示す新規情報が載っている。

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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