社会問題 「完全無視する警察」に世論激怒!

「バイクを取り上げないで……」北京交通警察に土下座して許しを乞うフードデリバリー配達員

2024/09/07
更新: 2024/09/07

北京の街頭で撮影されたワンシーンが多くのネットユーザーの心を揺さぶった。

そこには、「バイクを取り上げないで…」と必死に交通警察に許しを乞うフードデリバリー配達員の「あまりに惨めな」姿があった。配達員は1分間も土下座して叩頭を続けたが、完全無視されていたため、SNS上では「金儲け(罰金取り)しか眼中にない」冷血な警察と懸命に社会の底辺で生きる庶民の鮮明な対比、として話題になっている。

交通警察官らの冷たい態度が、ネット民の非難と怒りの的となっている。

動画のなかで、絶えず往来する車両を検問する数名の交通警察の姿があった。このなかには「美団」と書かれたフードデリバリーの電動バイクのそばで、配達員が土下座姿で絶えず叩頭をしている。しかし、これに対し、交通警察は見て見ぬふりをして、他の車両に対する検問を続けている。叩頭していた配達員はしばらくして立ち上がり、警察官の1人を相手に、その人の前に跪いて叩頭を続けた。しかし、その警察官は配達員を振り切って、その場から立ち去ったが、配達員は彼の後を追いかけ、慈悲を乞うたのだが……。

 

動画撮影者は「北京の交通警察は『カネづくり』に忙しい」とテロップに書いた。

 

中国人のフードデリバリー配達員は配達時間に遅れると、プラットフォームから様々なペナルティを科される。 運悪く交通警察に出くわして、バイクごと押収されてしまうと、「人生が終わるかのよう」だ。

そのような背景があるため、SNS上ではしばしば、検問にひっかかった配達員が交通警察に頭を下げて土下座したり、許しを乞うシーンを映した動画が投稿されている。

なかには、抗議の手段として自傷行為や自殺に走る者もいれば、激しく抵抗し、交通警察を攻撃する人もいる。

何にでも口実を付けて罰金を取ったり、バイクを押収しようとする交通警察と、社会の底辺でもがきながらも生きていこうとする配達員、土下座する配達員の映像がネットに投稿されるたび、「精いっぱい生きている低辺の民衆に、容赦ない当局者の非人間的対応」に対して糾弾する声も多い。

配達員だけでなく、露天商も「城管」のいじめに遭うのが、日常茶飯事であるため、関連動画も世論の同情を引き起こし、怒りが噴出する。

 

「城管」に土下座して許し乞う中国の露天商の老人。(中国のネットより)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!