財政難にあえぐ中国の地方公安部門、彼らによる、「遠洋捕獲」と呼ばれる「濡れ衣を着せてのカネ略奪」が社会問題になっている。被害を受けた民衆や企業は訴える場もなく、泣き寝入りするしかない。
「遠洋捕獲」とは、貧しい省の公安部門が「事件捜査」を口実に、経済が発達している他省へ赴き、権力濫用をして、個人や企業に濡れ衣を着せて金を巻き上げる下劣なやり方だ。ネット上では「公権力乱用!」「強盗と同じ」など怒りの声が噴出している。
「遠洋捕獲」は昔から存在していたが、近年は地方政府の財政難により、何としても金をつくりたい地方公安による、この類の法執行が増えている。
中国メディア「南方週末報」の記者や編集者を経て、経済犯罪専門の周筱贇弁護士は20日、自身のSNSでこの「遠洋捕獲」について暴いた。
「恐るべき『遠洋捕獲』一部地域の省を跨いての法執行と金儲け」と題される周弁護士の文章は、中国各地の公安がいかにしてその手中の権力を利用して、他省で「金を得るための法執行」を行っているか、実態について明らかにした。
周弁護士によると、「一部地方の公安はあえて落とし穴を掘り、企業や個人がそこへ落ちるように仕向ける。いったん企業や個人の口座にブラックマネーが入れば、何らかの事件の容疑者などと、無実の罪を着せて陥れ、刑事拘留、ひいては投獄して、口座を凍結して口座内のお金を着服する」という。
「口座に入るお金の出所の正当性を確認することは不可能であるため、この類のリスクを防ぐことはほとんどできない」と周弁護士も嘆く。
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