人気動画アプリ「TikTok」が「天安門」「チベット」「新疆」「ウイグル」などの情報を排除=最新研究

2024/08/21
更新: 2024/08/23

最新研究によると、中国共産党(中共)の影響下にあるとされる動画アプリ「TikTok」が、アルゴリズムを利用して、共産党にとって不都合なトピックを制限していることが明らかになった。

他のソーシャルメディアプラットフォームと比較して、「TikTok」では同じキーワードを検索しても、中共に有利な情報が目立ち、人権侵害に関する情報が意図的に隠蔽されていることが判明している。

アメリカラトガース大学の「インターネット感染研究機関」(NCRI)が公表した報告書「中共のデジタルマジック攻勢」によれば、主要な3つのプラットフォームで、「天安門」「チベット」「新疆」「ウイグル」というキーワードの検索結果を分析した結果、TikTokでは親共産党的な動画が、YouTubeやInstagramに比べて格段に多いことが分かった。

例えば、「天安門」というキーワードで検索した場合、TikTok上の親共産党的な投稿は全体の26.6%を占めており、Instagramでは16.3%、YouTubeでは7.7%だった。TikTokは他のプラットフォームと比較して、反共産党的な投稿が明らかに少なく、「六四」天安門事件に関する言及も少ない傾向にある。

ロサンゼルスの弁護士、鄭存柱氏によると、

「TikTokは、アメリカで登録された独立企業だが、親会社は中国のByteDance(字節跳動)で、中共の厳しいコンテンツ監視が行われている。公にされている情報は、全て中国政府の利益になるようになっており、実際のところ、これは中共が行う大々的な海外向けのプロパガンダの一環で、より隠密な手段の一つだ」

報告書によれば、TiTokのアルゴリズムはユーザーの認識を意図的に操り、歪めるように設計されている。特に、TikTokを頻繁に利用するユーザーは、中共の影響を受けやすいと考えられている。

オーストラリア在住の歴史学者、李元華氏は「TikTokに流れる情報が、すべて中共のプロパガンダである場合、その情報が美化されたり、誤解を招くように作られていると、長期にわたってそれに触れ続けることで、人々が中共に対して、偏った見方を持つようになる可能性がある。これは、中共が望む結果そのものだ」と語る。

統計データによると、2023年現在、TikTokのユーザー数は約16億7千万人に達しており、そのうちアメリカのユーザー数は1億5千万人以上にのぼる。特にアメリカでは、13歳から17歳の約67%がTikTokを使用していると報告されている。

鄭存柱氏は、中共が過去に行ってきた対外宣伝の手法と比較して、TikTokが引き起こすリスクは、さらに大きいと述べている。

鄭存柱氏は次のように述べている。

「今の若者たちは幼いころからスマートフォンを持つのが普通で、文字を読むことよりも、短い動画のほうが、魅力的に感じる傾向がある。彼らは意識せずに、選ばれたコンテンツを介して、中共の主張を巧みに拡散しており、これは海外の華人コミュニティだけでなく、アメリカの主流社会にも影響を及ぼしている。この影響は、個人情報を直接奪われること以上に、深刻なリスクをはらんでいる」

昨年、アメリカでは約34州が、政府機関や公務員によるTikTokの使用禁止措置を導入した。そして今年4月末には、バイデン大統領が新法案に署名し、TikTokに対し、9か月以内に中国以外の買収者を見つけるよう求めた。もし買収者が見つからなければ、アメリカでのサービス提供が停止される可能性がある。