社会問題 食品から「とんでもないモノ」が出てくる

「また出た」中国の食卓から異臭発する黒い物

2024/08/18
更新: 2024/08/18

【閲覧注意】本記事には、不快に感じる内容があります。食事前の読者はご注意ください。

 

中国の食卓で、「異物混入」事件が相次いでおり、それも想定外の「異物」ばかりだ。度重なる類似ニュースを見るたび、消費者はため息をつくしかない。

個人経営の飲食店からデリバリー専門店、街の大型ホテル、病院の食堂、ひいては学校給食にまで、その出没場所は実に多岐にわたっており、しかも出てくる「異物」というのは、日本の我々が思いつきそうな「髪の毛」や「ちょっとしたゴミ」などといった「優しい」しろものなどではない。

もはや「ネズミの頭」から「タワシ(清掃用)」、「排水溝のゴミ受け金具」、「人間の歯」「ボルト付きの肉(ヒト向け手術用)まで出てきて皆、驚くこともない。

中には「これ何の肉?!」と世間を震撼させたものまで。

学生食堂から「ネズミの頭」、デリバリー食のなかから出てきた「排水溝のゴミ受け金具」や飲食店のスープの中から出てきた「ボルト付きの肉」は中国メディアによって報じられているが、同様の「事件」は、ほかにも多数あるだろう。そのような推測が、もはや推測とは言えないのが、中国の実情である。

 

画像(左)は料理の中から出てきた「排水溝のゴミ受け金具」。画像(右)はスープの中から出てきた「ボルト付きの肉」(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

 

「奇臭発する黒い塊」

ある飲食店の麺類のなかから、またも「謎の異物」が登場し、「中国の食の安全」に関して懸念や怒りが再度巻き起こっている。

江蘇省蘇州市の飲食店で176元(約3658円)もする超・高級麺(「鴨の麺」)を食べていたある男性は、麺のなかに入っていた何かの塊を口の中に入れ、迷わずガブリとしてしまった。赤ちゃんの手のこぶしほどの大きさはあるその塊(異物)は、「なにかの煮込み料理かな」と思っていたようだ。すると、噛んだ瞬間、「異臭を発する黒い汁が口の中にあふれた」という。

黒い汁は口の中だけでなく、服にまで飛び跳ねたそうだ。不運に見舞われたこの可哀そうな男性は、「その場で即座に吐いた」という。

男性が口拭きに使ったティッシュペーパーにも大量の「黒い汁」が染まり、あまりに異様な光景だった。

 

「黒い汁」が染まったティッシュペーパー。(SNSより)

 

事態に気付いた店の経営者はすぐさま「異物」を隠し、「うちが出す食事には何の問題もない」と非を認めようとしなかったため、警察沙汰となった。男性によると、「警察がやってきて、経営者はようやく、致し方無く隠したその問題の異物を警察に引き渡した」という。この悪徳経営者は「監視映像の提供」を拒否し続け、最後まで悪あがきを辞めなかったそうだ。

結局、「異物」がいったい何であったのか。答えは目下出ておらず、いまは「検査中」だそうだ。

「なにか下水道のなかのもののように感じる」と被害男性は振り返っており、ネット上ではこの「黒い異物」の正体は「腐ったネズミ」とする説が流れている。

 

(飲食店から提供された「鴨の麺」の中から出てきた「奇臭発する黒い塊」、江蘇省蘇州市、2024年8月)

 

「奇臭発する黒い塊」の動画は12日にネットに投稿され、物議を醸した。

ネット上では、「またか」

「いつになったらこういう事件がなくなるのだ?」

「金儲けのためなら人間性をも捨てた飲食業者があまりに多い」

といった怒りの声が渦巻き、

「客に提供している食事と同じものをその経営者が自身の子供に食べさせられる店ではないと、もう信用できない」

と言い出す人まで出ている。
 

「道徳の欠如」が末期ガン化した中国社会

20年ほど前のことだが、中国語に「地沟油(ちこうゆ)」という言葉が現れた。実態としては、もっと以前からあったはずだが、社会問題として知られるようになったのは、およそその頃である。

「地沟油」とは、ドブ川のような汚い排水溝の底から集めた廃油を濾過し、食用油としてヤミ売りする「恐るべきリサイクル油」のことである。この「地沟油」が、現代の中国でも、かなりの量が流通している。

そのほか、昔から知られていることだが、中国で売られている安価な焼酎には、飲めば失明するような劇物(メチルアルコール)が入っている。見た目のよい果物をうっかりかじれば、ひっくりかえるほど高濃度な農薬がついている。

「だから、十分に注意しなさい」と、親切な中国人が日本人に教えてくれる。

食品公害ばかりではない。昨今はあまりに多すぎて、こちらの感覚が麻痺しそうになる中国の「おから工事(手抜き工事)」も、究極的な根源は同じであるかもしれないのだ。

鉄筋がほとんど入っておらず、手で握っても崩れる「おから」のようなコンクリートであることから「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ぶ。そこに住めば、生命の危険さえ生じるような建築物である。単なる手抜きではなく、ほとんど犯罪に近い粗悪な建築なのだ。

一つだけ言えることは、今の中国では、人間の道徳や倫理観があまりにも欠落したため、自身の職務に責任をもたず、その成果を社会や他者のために役立てる利他意識を忘れ、ただ自分の目先の利益だけしか関心を持てなくなっていることが、社会全般における絶望的な「歪み」となって出現している。

言わば「道徳の欠如」が、中国社会のあらゆる場面で末期ガン化しているのだ。

中国共産党による統治下の中国、とくに最近の30年間において、中国の人々は、本来もっていた素朴で優しい人間性の根幹まで変形させてしまった。

体育館の屋根の下敷きになって死んだ中学生とそのご遺族は、あまりにも気の毒で、かける言葉もない。

ただ、今の中国で発生する不条理な事件の全てにおいて、その根底には「道徳の欠如」「モラルの崩壊」「ヒューマニズムの喪失」といった悲しむべき共通項が見出せるのだ。

中国と中国人をここまで狂わせ、不幸にした責任は、ひとえに中国共産党という悪魔的な政党とその邪悪な思想にある。再生の可能性があるとすれば、中共を完全に捨てるしかない。

(中国の飲食店の厨房裏の光景) 

 

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!