政治体制を変えなければ、中国経済は永遠に二流のままだ

2024/08/02
更新: 2024/08/04

論評

最近の報道では、中国経済に重大な問題が生じており、「経済的破滅」と表現する見方もある。中国経済の問題について多くの注目が集まっているが、より重要なのは、なぜこのような経済的災害が起こるのかという点である。

問題の答えは、全体主義的な統治と、世界と人間性に対するその誤った見方にある。

中国文明は、車輪、羅針盤、紙幣、印刷機、火薬などの偉大な文学、哲学、革新を世界にもたらした。

しかし、毛沢東以来、再教育キャンプや抑圧、人口管理といった革新を除けば、中国共産党はほとんど何も生み出していない。

共産主義中国の経済の惨状は、世界でも最も豊かな国の一つである台湾と比較すればさらに明確である。

台湾は創造性とイノベーションを育み、研究開発に力を入れている。また高く評価されているコンピュータチップ産業を築き上げ、その重要さは台湾が侵略されれば、世界のコンピューティングが危機に瀕するほどだ。

しかし、中国共産党(中共)は独自の研究や創造性を育んでおらず、むしろ他者の研究を模倣することに頼っている。

失われたイノベーション

スマートフォンやソーラーパネルの技術をコピーすることは一時的に成功したかもしれないが、中共が実施するオリジナルの研究を抑圧する政策は、中国で最先端の科学の実現することを不可能にしている。

その結果、鄧小平が「中国の特色ある社会主義」を進めると約束して以来、中国経済は持続不可能な借入と多くのゴーストタウンを生み出した建設主導の経済によって支えられてきたが、結局は失敗を続けている。

鄧とその後継者たちが理解していないのは、社会主義そのものが中国の経済危機を引き起こしたということ(そして社会主義は中国の真の価値観と相容れないということ)だ。

経済の繁栄はイノベーションと独創的な解決策に依存している。共産主義は集団的思考と国家の管理を重視し、創造性よりも従順を優先する。

これは、コロナに対する中国共産党の対応で明らかであった。

感染が広がった際、地方の創造的な解決策は北京の中央当局への服従のために抑えられた。言い換えれば、共産主義は国家への依存を助長する。これは経済的な依存だけでなく、国家への知的な依存も意味している。

これにより個々の知的活動が阻害され、繁栄する自由経済や前例のないパンデミックと戦うための創造的思考が抑圧される。

コロナとの戦いで、中国共産党ができた最善の策は、西側の競争相手よりも高価で効果の低いワクチンを生産することだった。

比較してみれば明らかだ

共産主義は技術や物質的解決策に固執する傾向がある。

中共は常に五か年計画や各種問題に対する技術的な解決策を出しているが、これらの解決策が他の計画(例えば、壊滅的な一人っ子政策)と矛盾している場合がある。 

さらに、経済の「ハードウェア」のみに注目し、成功した経済の基盤となる文化的「ソフトウェア」を無視することで視野が狭まっている。

そのことは、近代世界で最も繁栄した経済が、5か年計画や技術目標から始まったのではないことを考えれば明らかである。

むしろ、人間哲学と人間の本質に関する一連の命題から始まったのである。最も重要なことは、私たちは平等であり、造物主によって一定の権利を授けられているということ。

アメリカの繁栄はその自然資源、立地、その他の物質的要因に依存していない。

その繁栄は、人間という存在に関する哲学、人権の肯定、個人の自由、言論の自由、思想の自由から自然に生まれたものだ。

つまり、アメリカを偉大にした天才は、繁栄が物質的資源および技術的解決策から生まれるのではなく、道徳的基盤と人間の自由に基づいているということである。

私たちの文化を推進し、経済の成功をもたらすのは、人間の支配でも中央集権的な権威でもない。

むしろ、自由、個人の責任、独立、思想の自由、人間の尊厳と個人の権利の肯定があったからこそ、私たちは繁栄し、栄えているのだ。これらがなければ、革新も成長もなく、ただ海賊行為と知的著作権侵害と停滞に陥るだけだ。

要するに、自由と開かれた心が強い経済と繁栄を生み出す。

共産主義と抑圧された心は貧困と経済崩壊を生む。

中国の指導者たちがこの事実を早く理解することが望ましい。

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。