経済の縮小が続く中国 7月の中国製造業PMIが5か月間で最低に

2024/08/02
更新: 2024/08/02

中国経済の不振が続いている。公式統計によれば、7月の製造業PMIは49.4にまで低下し、過去5か月間で最低の数値を更新した。また、非製造業PMIも6月の50.5から50.2へと下落し、市場の予測値を下回る結果となった。

製造業と非製造業の購買担当者指数(PMIとNMI)は、50%を経済の拡大と縮小の分岐点とする。50%以上ならば経済が成長しているとされ、50%未満ならば縮小しているとされる。

7月の製造業PMIが5か月で最低、3か月連続で縮小

中国国家統計局が7月31日に発表したデータによると、7月の製造業PMIは49.4となり、前月比で0.1ポイントの減少を見せ、3か月連続で縮小していることが明らかになった。これは過去5か月間で最も低い数値である。

企業の大きさで見ると、大企業の購買マネージャー指数(PMI)は50.5%で、前月に比べて0.4ポイントの上昇を見せている。一方で、中小企業のPMIは49.4%と46.7%で、それぞれ前月比0.4ポイント、0.7ポイントの下降が見られる。

製造業のPMIの各構成要素を見ると、生産指数は基準点を上回っているが、新規受注、原材料の在庫、従業員数、サプライヤーの納期の指数は基準点を下回っている。

主要ないくつかの分野で指数が下がっている。生産指数は6月の50.6から7月は50.1にわずかに減少し、新規注文指数も6月の49.5から49.3に下がった。

東方金誠のチーフ経済アナリストである王青氏は、毎日経済新聞のインタビューで、7月の製造業PMIの新規注文指数が0.2ポイント減少して49.3%になったことを明らかにした。これにより、指数は3か月連続で縮小している。高温多雨の天候が影響している一方で、不動産業界の調整が続いており、鋼鉄やセメントなどの建材の需要を直接抑えている。さらに、不動産市場の低迷が資産価値の減少を引き起こし、消費者の信頼にも悪影響を与えている。

非製造業の動向:市場予想に届かず

7月に入り、サービス業や建設業を含む非製造業セクターの購買担当者指数(PMI)が低下した。統計局の発表によれば、7月の非製造業PMI(NMI)は6月の50.5から50.2に減少し、市場予想の50.3には達しなかったとされる。

各業界を詳しく見ると、建設業活動指数は51.2%で、前月に比べて1.1%の下降を見せた。一方で、第3次産業活動指数のビジネス活動指数は50.0%と、境界線上に位置している。

新規注文指数は45.7%に落ち込み、前月比で1.0%の減少を示し、非製造業の市場需要が縮小していることを物語っている。特に建設業の新規受注指数は40.1%にまで低下し、前月から4.0%もの大幅な下落を記録した。サービス業の新規受注指数も46.7%となり、0.4%減少している。

さらに、7月の総合PMI生産指数は50.2%となり、前月から0.3%下がり、2023年1月以降で最も低い水準を更新した。

分析では、市場の低迷や消費の弱さ、そして製造業に対する悲観的な見方が強いと指摘されている。

ロイター通信の報道によると、中国の国内需要が持続的に弱まっており、地政学的な緊張も加わって製造業に対する悲観的な見方が増えている。7月の製造業PMIは3か月連続で縮小しており、新規輸出注文や出荷価格などの指標からは、工場経営者が出荷量を増やすために価格を引き下げていることが伺える。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、INGグループ(Internationale Nederlanden Groep)の大中華地区首席経済学者のリン・ソング氏は、過去3か月のPMIの弱さと、EVやその他の製品への新たな関税の可能性を指摘し、今後数か月の工業活動の減速リスクが高まっていると指摘している。製造業の減速は、他の経済セクターの成長を促進するための緊急性を高める可能性がある。市場の信頼は依然として低く、消費の弱さが続くことが予想される。

夏松
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