臓器狩りからの生還 「私は生体臓器摘出を免れた」

2024/08/01
更新: 2024/08/01

元中国国営企業の技術者である鮑学珍さんは、法輪功の修煉をしていたために、中国共産党(中共)政府から不当に3年半の刑罰を受けた。彼女は最近、自身が収監されていた刑務所で、強制的な臓器摘出の危機を2度に渡り逃れた体験を明かした。

以前、国営企業で技術者として働いていた鮑さんは、身体が悪く、ほとんど寝たきりの状態だった。1995年に法輪功を始めた後、彼女は心身ともに健康的になった。

中共から法輪功に対する弾圧により、鮑さんは2001年6月に不当に3年半の刑に処され、上海の女性専用刑務所に収監された。2007年に出所し、その後デンマークに移住した。

そして最近、彼女は刑務所で遭遇した2回の怪しい体験を公表した。

鮑学珍さんによると、2003年の上半期に、上海市松江地区に位置しているある女子刑務所で、法輪功学習者全員に対して突然健康診断を実施すると通知がきた。

健康診断を受けるために並んでいると、4台の車が到着した。車に乗ると、まず身長測定、血液型の確認、そして採血が行われた。ただし、普通の採血とは異なり、太めの管を使用して血を採取された。その上で、婦人科の検査、エコー検査、心臓、肝臓、肺の各検査が行われたという。

それぞれの車に警察官が同乗し、法輪功の学習者たちは一人ずつ順番に車に乗り、健康診断を受けた。鮑さんが検査を受ける番になった時、医師は何か不満げな表情をしていた。

鮑学珍さんによると、その医者は検査中、非常に驚いた表情をし、突然、警官数名と他の医師を呼び集めて「この患者はだめだ。内部に大きな問題がある」と言ったという。

その時、声を出すことはできなかったが、彼らの会話は聞こえていた。

医師は警官と顔を見合わせ、私の肋骨の下を押すと「どう感じますか?」と尋ねた。私は「問題ありません」と答えた。その部位には、昔問題があったので、「今は問題ありません」と答えた。その後、彼らは再び顔を見合わせ、何も言わずに「戻っていい」と告げたという。

上海の女性専用刑務所に限らず、中国全土の刑務所、労働再教育施設、そして拘置所においても、法輪功学習者に対しては拷問や虐待を加えつつ、「定期的かつ体系的な血液検査と器官検査」が行われており、これは、他の囚人には施されていない。血液検査は、臓器移植を行う際に、ドナーとレシピエント(移植を受ける人)の適合性を確認するために必要な手順だ。

中共が法輪功への弾圧を強化していた時期は、国内の臓器移植の件数が急激に増加していた時期と重なっている。複数の独立した調査によると、中共は法輪功学習者からデータを収集し、生きている彼らから臓器を摘出して移植し、利益を得ていると報告されている。

鮑学珍さんが、異常な事態に再び遭遇したのは、健康診断を受けてから数日後のことだった。警察は彼女を単独で呼び出し「目の検査を行う」と伝えたという。

目には問題がない鮑学珍さんは「なぜ検査が必要なのか」と聞いたが、警官は「あなたは検査を受けたがっていたのではないか」とはぐらかした。

鮑さんはそんなことは言っていないと否定したが、相手はそれを聞き入れなかったという。

2006年、中国瀋陽の看護師であるアンニーさんは、遼寧省の病院では、不当に拘束した法輪功学習者から強制的に臓器を摘出し、遺体を焼却していると暴露した。アンニーさんの元夫は、その手術を担当した医師で、2千人もの法輪功学習者から角膜を生体摘出したと証言している。

鮑学珍さんは、健康診断を受けたその時点では「臓器狩り」の実際の状況を知らなかった。彼女はその後、他の地域から来た法輪功学習者たちが刑務所で健康診断を受けた後に、行方不明になったことを目撃していた。彼女が生体臓器摘出の犯罪に気づいたのは、釈放された後だった。

鮑学珍さんはその後、意図的に中国国内に電話をかけ、臓器移植が実施されているかどうかを確認した。

彼女は台州のある病院の医師に連絡し、「親戚に、腎臓の問題で腎移植の必要な家族がいますが、貴院で手術を受けることはできますか?」と質問した。

すると彼らは「できます」と返答した。その医師の名前を尋ねたところ、「吳松江」と名乗った。しかし、現在は他の病院で働いている。

吳松江は「上海や浙江に行けば、法輪功学習者から摘出された新鮮な臓器を入手できる」と答えている。この電話を通じて、中国では既に強制的な器官摘出が行われている事実を知った。

鮑さんはすでに、デンマークで17年間生活しているが、彼女は、自身が過去に経験した二度の危機について振り返り、生体臓器摘出から逃れた体験を話している。

中共が行うこのような犯罪行為を世界に暴露し、その迫害を終わらせるために、彼女は強制的な臓器摘出に関する調査活動に携わり、人々に迫害の真実を伝え続けている。