労働市場が示す継続的な回復傾向と課題

2024/07/30
更新: 2024/07/30

日本の労働市場が継続的な回復を見せている。総務省が発表した6月の労働力調査によると、就業者数は6822万人に達し、前年同月比で37万人の増加を記録した。これは23か月連続の増加となり、雇用市場の持続的な強さを示している。

雇用者数も6139万人に達し、前年同月比で30万人増加し、28か月連続の増加を記録している。特に正規の職員・従業員数は3669万人に達し、31万人の増加となり、8か月連続の増加が続いている。一方で、非正規の職員・従業員数は2121万人と前年同月比で12万人減少し、2か月連続の減少が見られる。

産業別に見ると、「卸売業、小売業」や「学術研究、専門・技術サービス業」などが増加している。

就業率は15歳以上人口の62.0%に上昇し、前年同月比で0.5ポイントの増加を示した。15〜64歳の就業率も79.7%に達し、同じく0.5ポイントの増加があった。

完全失業者数は181万人で、前年同月比で2万人増え、3か月連続の増加となっている。これには「自発的な離職(自己都合)」が3万人増加したことや、「新たに求職」が1万人増加したことが影響している。

完全失業率は2.5%で、前月比で0.1ポイント低下した。非労働力人口は3991万人で、前年同月比で65万人減少し、28か月連続の減少が続いている。

自営業主・家族従業者数は650万人で、前年同月比で0.3%増加している。また、男性雇用者は3301万人で3万人増加、女性雇用者は2838万人で27万人増加している。

非正規雇用者の割合は36.6%で、前年同月比で0.4ポイントの低下が見られる。

このデータは、日本経済の持続的な回復を示しているが、非正規雇用者の減少や完全失業者数の増加など、市場には依然として解決すべき課題が残されている。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。