社会問題 甚大な被害。

内水氾濫の中国・鄭州 水中で感電死する市民も

2024/07/24
更新: 2024/07/24

集中豪雨に見舞われた中国内陸部の河南省鄭州市(ていしゅうし)で22日夜、深刻な内水氾濫が発生した。内水氾濫とは排水路の雨水処理容量を上回り、土地・建物や道路、地下道などが水浸しになる現象だ。車は水に浸かり、バスは運行停止、高速道路は通行止めになった。

水が溜まった市内の交差点で男性が感電死する事故も起きており、大勢の市民は冠水した路上で立ち往生した。

現地当局は23日、「昨夜、市内の一部の街路灯に漏電が発生した」と発表。現地の災害管理を担当する応急管理局の職員によると、「その夜、電動バイクに乗った市民が突然倒れて死亡した」と明かしている。

NTD新唐人テレビの取材に応じた鄭州市内で会社を営む楊さんは当時の様子について

「午後8時に雨が降り、1時間ほどで水は身長180センチの私の耳のあたりにまで届いた」

「水がどんどん家のに入ってくるのをただ見ているしかなく、どうすることも出来なかった。去年買った4台の車はすべて水に浸かり、店の1階部分は完全に浸水した」と振り返った。

楊さんの損失は50万元(約1千万円)以上に及ぶという。

「今回の水位は2021年7月20日の時と同じだ」と楊さんは指摘する。

2021年の時も同市では大規模な水害が発生し、多数の死者が出た。当時、記録的な大雨が降り続き、市内で広範囲な冠水が発生し、地下鉄やトンネルは浸水した。地元政府が事前告知せずにダムの放流を行ったことが前回の大惨事につながったとの見方が強まっている。

別の鄭州市民、李さんの場合、

「車で帰宅途中、道路で立ち往生した」

李さんは

「感電した人もいるし、その時は街路灯も消えていた。とても水の中を行く勇気がなかったため、水が引くまで待って、23日早朝に車を運転して帰宅した」

という。

(深刻な内水氾濫が発生した河南省鄭州市、2024年7月22日夜)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!