中国 大渋滞起こし、交通警察もお手上げ

無人タクシーは「譲らない」? =武漢市

2024/07/13
更新: 2024/07/13

完全無人の自動運転タクシーの普及が最も進んでいる中国・武漢市では時々、この街ならではの笑わざるを得ない「大渋滞」の原因がある。

「人間のように思いやりをもって譲りあう」ことを知らないのか、対峙する「無人タクシー」の姿を捉えた動画が複数SNSに投稿されている。

ある動画のなかには、無人タクシーを手掛ける同国IT大手・百度(バイドゥ)の自動運転移動サービスプラットフォーム「蘿蔔快跑」の文字が車体に書かれた2台の無人タクシーが出会い頭で対峙していた。

(対峙する無人タクシーが大渋滞を引き起こしている現場、武漢)

 

この2台の「睨めっこ」の状態があまりに長く続いたため、道路は大渋滞になった。この大ピンチに、市民の通報で駆け付けた交通警察が何人も現場に来ているが、みな「お手上げ」の状態だという。

それもそのはずで、中には「誰もいない」のだから。これには罰金取りや横暴な取り締まりにかけては「天下無敵」と悪名高い中国の交通警察でも、どうすればいいか分からなかったようだった。

余談だが、ネット情報では「百度の無人タクシーは交通警察の指示は聞かない」そうだ。

大渋滞を引き起こしている「元凶」のそばでお手上げ状態の交通警察(SNSより)

 

別の動画のなかでも、無人タクシー2台が仲良く「睨めっこ」する。その後ろにはどこまでも続く渋滞の列があった。

(「睨めっこ」する無人タクシー)

 

「袋」にビビる

さらに別の動画では、路上に落ちている「袋」の前で止まり、大渋滞を引き起こす「無人タクシー」の姿があった。

「障害物(袋)」の前で止まり、渋滞を起こしている無人タクシー

 

この事態に動画投稿者も「出勤ラッシュ時に、コレだけは勘弁してくれ!」と祈るしかないようだ。

最終的には、心優しい男性が無人タクシーの前に「立ちはだかっていた」、いや、要するに「ただ落ちていた」その「障害物(袋)」を拾い上げてどこかへ持っていってくれたのだ。障害物消失により、ようやく無人タクシーも前へ進むことができ、その後に続いていた渋滞もやっと解消された。

 

(「障害物(袋)」の前で止まり、渋滞を起こしている無人タクシー)

 

渋滞を引き起こすぐらいならまだ笑って済ませられるが、無人タクシーが実際に衝突する事故もつい最近起きている。今月7日午後、武漢市の交差点で、無人タクシー(乗客なし)と電動バイクの衝突事故が発生した。バイクに乗っていた男性に「目立った外傷はない」という。

無人タクシーを手掛けるIT大手・百度(バイドゥ)は「電動バイクが信号無視したため」と一方的に主張しており、また中国メディアもこの百度の主張を取り上げて報道しているが、「実際のところは、どうなのか?」という疑問を捨てきれない人も少なくないという。

米国では昨年、歩行者が無人タクシーに轢かれる事故も実際に起きており、「安全性」や「渋滞を引き起こさない知恵」、事故の際の法整備など課題がまだまだ山積みのようだ。

(武漢のある湖北省の無人タクシー)

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!