中国吉林省遼源市にある団地の集合住宅で9日、複数の階でバルコニーが落下する事故が起きた。
その様子を撮影した映像がネットで拡散されており、これを見た人は誰もが衝撃を受けたという。
動画の中にあるマンションの、なんと4つの階にわたってバルコニーが落下し、もともとバルコニーがあった場所には建築材料やレンガなどが剥き出しになっている。現場では大型重機が残りのバルコニーの取り壊しを行っており、その様子を付近住民が見守っていた。
今回の事故をめぐっても、ネット上には、いつもの通りの声が広がっている。
「おから工事の社会問題は知ってたが、心配していたことがついに起きてしまった」
「バルコニーが落下するなんて、恐ろし過ぎる」
「なぜレンガばっかりで鉄筋が見られない?」
住民の不安は広がるばかりだ。
バルコニー落下事故をうけ、現地政府の職員は、中国メディアの取材に対し次のように説明している。「今回の事故は4階の住民の改修工事が原因で起きた。4階のバルコニーが落下し、下の3つの階のバルコニーに当たった。死傷者はいない」
中国では過去にも、各地で「バルコニー落下事故」が起きている。
2015年10月23日、今回の事故が起きた同じ地区(遼源市龍山区)にある別の住宅ビルでは、10部屋のバルコニーが一斉に倒壊し、1人が死亡し、4人が負傷している。
2020年7月1日、吉林省長春市華僑村にある集合住宅の6階バルコニーが地上に落下した。幸い負傷者はいない。
2022年5月31日、遼寧省瀋陽市にある集合住宅の5階部屋のバルコニーが全部落下した。落下したバルコニーは1階のバルコニーに当たり、1階も破壊した。
2022年6月29日、黒竜江省綏化市綏棱県にある集合住宅のバルコニーが突然落下し、住民はその様子を撮影していた。
中国では、住宅の品質や企業の社会的責任よりも、利益追求をはるかに優先する建築業者が絶えない。そのため、豆腐のおからのように、手で砕けるほど脆い「おから工事(豆腐渣工程)」と呼ばれる手抜き工事の住宅が、以前から大きな社会問題となっている。
(遼寧省瀋陽市にある団地の集合住宅で起きたバルコニー落下事故、2022年5月31日)
(黒竜江省綏化市綏棱県にある団地の集合住宅で起きたバルコニー落下事故、2022年6月29日)
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