米アラスカ州教育委員会、トランスジェンダー選手の女子チーム参加を禁止へ

2024/06/18
更新: 2024/06/18

アラスカ州教育委員会は、トランスジェンダー選手の女子高等学校スポーツチームへの参加を禁止する決議を賛成多数で可決した。今回の決議は、州の司法長官によって法的有効性が判断される。

13日の特別会議で、教育委員会は7対1で、「女子高校スポーツチームには、出生時に女性とされた者のみが参加できる」とする規則を可決した。投票で唯一反対票を投じたのは、高校生代表のフェリックス・マイルズ氏だった。軍事顧問は棄権した。

7月に最初にこの問題を議論した際、委員会は約2.5時間の証言と1400ページに及ぶ書面のフィードバックを受けて投票を延期した。

今回の会議では、一般からのコメントは受け付けられなかった。

3月、ロリ・ヴァン・ディースト氏は、この問題に関する最初の拘束力のない決議案を提出した。同氏は、「性別間の生理的な違いにより、包括性と公平性のバランスをとるのは難しい。私は女子高校生運動選手の競技の公平性と安全を最優先に考える立場として、この規則改正案を支持する」と発言している。

議事要旨によると、州政府行政はこの提案を承認すべきか否かについて何の助言も与えなかったという。

教育委員会メンバーのボブ・グリフィン氏は、「個人の性自認の表現に反対するつもりはないが、問題は性自認ではなく、生物学的な男性と女性の競技力の違いと、それに伴う競技の公平性だ」と述べた。

グリフィン氏は、「多くの競技スポーツでは、生物学的な男性が女性に比べてかなりの競争優位性を持っている」と強調した。

さらに、「この事実がなければ、『教育改正法第9編』[1]や男女別のスポーツ部門は必要なく、高校のアメリカンフットボールチームの半分は女子で構成されるだろう」と述べた。

[1] 教育改正法第9編
「アメリカのいかなる者も,連邦政府から助成を受けている教育プログラムや教育活動において,性別を理由に参加を拒まれたり,利益の享受を否定されたり,差別の対象となったりすることがあってはならない」

また、2021年の東京オリンピックで100メートル平泳ぎで金メダルを獲得したアラスカ州出身のリディア・ジャコビー選手の記録が、「アラスカ州の高校男子記録よりも4秒遅い」と指摘し、「アラスカ人のほとんどはジャコビー選手を誇りに思っているが、私たちは生物学的な女性と少女の公平と正義の原則を推進する責任がある」と述べた。

アラスカ州の共和党州知事であるマイク・ダンリービー氏は、この規則の支持を表明し、「女子スポーツの公平性を維持するために、この規則は極めて重要である」と強調した。

アラスカ州司法長官である共和党のテイラー・トレガー氏は、この規則の実施について最終的な決定を行った。

アメリカでは約22の州が、トランスジェンダー選手のK-12(幼稚園から12年生)学校の女子代表チームへの参加を禁止する法律を制定している。その一部の州では、トランスジェンダー選手が男子チームへの参加を禁止する法律もある。

アラスカ州最大の学区であるアンカレッジ学区は、教育委員会の決定に対して強く反対している。アンカレッジ学校委員会のマーゴ・ベラミー会長とジャレット・ブライアント教育長は声明で、「アラスカ州の公立学校が直面する多くの課題を考慮すると、このテーマがアラスカ州教育委員会の最優先事項であることに困惑している」と述べた。

13日の会議で、アラスカ学校活動協会のビル・ストリックランド氏は、協会の目的は「一つは生物学的な女子に開かれたチームと、もう一つは全ての学生に開かれたチームを設立することである」と述べ、曖昧な場合は出生証明書を基に生物学的性別を確認することになると説明した。

この問題は、今後も州や教育機関で議論が続く見通しである。

オーストラリアを拠点とするエポックタイムズ記者。