米議員ら、中国大手電池企業を禁輸リストに載せるよう要請

2024/06/10
更新: 2024/06/28

5人の共和党議員が、国土安全保障省(DHS)に対し、中国CATL(寧徳時代新能源科技)とGotion High-Tech(国軒高科)を即刻禁輸リストに載せるよう求めている。これらの企業のサプライチェーンが中国共産党政権による強制労働ウイグル人に対する虐殺に「深く関与している」ため。

米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委員会)のジョン・ムーレナール委員長を筆頭に、複数の議員は6月5日に戦略・政策・計画担当のロバート・シルバーズ国土安全保障省次官に2通の書簡を送った。議員らは、CATLとGotion High-Techを、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)によって作成されたエンティティリストに即刻追加するよう要求した。

ムーレナール議員は6月6日の声明で「中国特別委員会は、国軒とCATLのサプライチェーンが強制労働およびウイグル人の虐殺に深く関与しているという確たる証拠を発見した」と述べた。

同氏は国土安全保障省に対し「これらの企業の貨物が米国に入るのを阻止する」よう求めた。

ムーレナール議員は「アメリカ国民は、米国企業が中共(中国共産党)の大量虐殺への一切の関与を避けることを期待している」と述べた。

国軒の米国子会社Gotion Inc.は、ミシガン州とイリノイ州でバッテリー工場を建設している。また、フォードはミシガン州に新しいEV工場を建設している。その施設ではCATLの技術を使用したバッテリーが生産される予定だ。

議員らは、CATLはリチウムイオン電池のアノード材料を中共の指導下にある地域の準軍事組織、新疆生産建設兵団(XPCC)によって管理されている企業から調達していると述べた。2020年、トランプ政権は、中国西部新疆地域での人権侵害に直接関与しているとしてXPCCに制裁を科した

また、CATLがリチウム電池製造のもう一つの主要成分である電解ニッケルも、中共国営企業・新疆有色金属の子会社から調達している。

議員らは新疆有色金属工業集団が「新疆地域で最大の銅鉱床を運営しており、ウイグル人強制労働を多用している」としている。「新疆有色金属は監視と教化のために、ウイグル人を漢族幹部と同居させ、『貧困緩和』や反過激派の『訓練』プログラムを装って、ウイグル人を衛星工場や遠隔地の鉱山現場で非自発的な労働に従事させてきた」と指摘した。

議員らによると、国軒が新疆有色金属の子会社からアルミ箔を購入している。プレスリリースには「国軒は、『労働移転による貧困緩和』に参加している新疆中泰新材科技股份有限公司(Xinjiang Joinworld)から材料を調達している。こうしたプログラムは強制労働の隠れ蓑であることが多い。国軒は、XPCCと深い関係を持つ企業からリチウムイオンや他の材料を調達している」と書かれている。

また、2通の書簡には、CATLと国軒が関連する他の問題のある企業も特定されている。

議員らは、国土安全保障省当局がCATLと国軒を禁輸リストに載せることに反対する場合、当局者とのブリーフィングを求めると述べた。

この書簡に署名した他の4人には、マルコ・ルビオ上院議員、下院国土安全保障委員会委員長のマーク・グリーン議員、上院国土安全保障・政府問題委員会のカルロス・ギメネス議員、およびダリン・ラフッド議員である。

6月7日、ルビオ上院議員はXに「CATLと国軒がウイグル人の奴隷労働に関与していることは明らかだ。これらのバッテリー企業が私たちの市場にアクセスするのを防がなければならない」と投稿した。

6月6日、ルビオ議員とジェフ・マーリー上院議員はウイグル人権政策再認定法2024(Uyghur Human Rights Policy Reauthorization Act of 2024)を提出した。これは2020年のウイグル人権政策法(Uyghur Human Rights Policy Act)の重要な側面を再認定し、さらに5年間延長するものである。2020年に成立したこの法律は、新疆での人権侵害に関与する外国の個人や企業に対してアメリカの制裁を科すことを可能にする。

米政府は2021年に初めて、中共が新疆で実施している弾圧を「人道に対する罪」および「ジェノサイド」に指定した。

中共政権は「過激主義との戦い」を口実に、新疆で100万人以上のウイグル人を強制収容している。収容者は強制労働、拷問、政治洗脳、強制中絶、その他の非人道的な扱いを受けている。

大紀元は、CATLおよび国軒にコメントを求めたが、プレス時点では回答がなかった。

 

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。