5月29日、中国共産党（中共）は商用航空産業の発展に力を入れており、2049年までに世界の主要な旅客機メーカーとなることを目指している。これにより、ボーイングを市場から追い出す可能性もある。現在、中国はボーイング製の旅客機に大きく依存しているが、中国商務部は5月20日、ボーイングが台湾に武器を売却したことを理由に、ボーイングの防衛、宇宙、安全保障部門に制裁を科している。

過去数年は、アメリカの航空巨人ボーイングにとって厳しいものであった。中国が目標を達成すれば、2049年までにボーイングに代わって主要な旅客機メーカーとなるだろう。中国がボーイングを市場から追い出すことができるかどうかは、ボーイングが現在の生産と管理の課題を克服し、長年の革新と戦略的冒険精神を維持できるかにかかっている。

中国商用飛機公司（COMAC）が上海国際商用航空展で発表したスライドによると、2039年までにCOMACは外国の競争相手が一社しか残らないと予測している。これは、ボーイングまたはエアバスのどちらかが競争相手でなくなることを意味している。

さらに2049年までに、COMACは「中国が世界の旅客機市場を支配する」と予測しており、その後の数十年で「中国が主導する」としている。

また、COMACは新型航空機を複数計画しており、その中にはC939、C949、超音速旅客機が含まれている。C939は400席以上のワイドボディ機で、2039年に導入される予定であり、ボーイング777と競合することを目指している。

C949は、現在運用中の最大の旅客機エアバスA380のように、2階建ての設計と3つの通路を持つ非常に広い機体になる可能性がある。さらに、COMACは2049年以降、時速17000マイルの宇宙ベースの商業輸送プラットフォームを提供する予定である。

ボーイングは、中国からの商業的な挑戦だけでなく、中国共産党からの政治的な圧力にも直面している。中国共産党は、市場や株主の義務に縛られず、グローバルな主導的航空宇宙部門を築くために必要なリソースを投入することができる。これは、世界的な政治、経済、軍事の覇権を目指すための重要な一環である。

経済覇権は、習近平の経済スローガン「新質生産力」の最終目標であり、革新、技術、組織におけるブレークスルーを通じて、中国がグローバルな航空宇宙部門を支配することを可能にするものである。

政治的、軍事的覇権は、中国共産党がロシア、イラン、北朝鮮と共に主導するものである。これには、ウクライナへのロシアの戦争支援や、ヨーロッパでの戦争、イランがハマスやヒズボラ、イスラエルを破壊するハマスへの支援、そして北朝鮮のグローバルな核の脅威を支えることが含まれている。

航空分野では、中国は新型旅客機プロジェクトの推進において、ボーイングやエアバスに具体的な挑戦を行っている。例えば、COMACのC939とC929プロジェクトは、それぞれボーイング777とボーイング787、エアバスA350の市場をターゲットにしている。

C919の単通路旅客機は、中国の航空会社に就航するまでに15年を要し、主要コンポーネントはアメリカとヨーロッパの技術に大きく依存しているが、中国の国内市場はボーイングやエアバスにとって大きな政治的圧力となっている。

ボーイングは、2023年9月19日のプレスリリースで「2042年までに中国は、世界の航空機需要の20％を占める……中国は8560機の新商用航空機を必要とする……中国の商用旅客機の機数は今後20年間で2倍以上に増加し、約9600機に達する」と述べている。

中国共産党とCOMACが大型亜音速旅客機市場を支配しようとする中、彼らは超音速および低軌道旅行旅客機の開発と普及に巨額の投資を行い、ボーイングやエアバスをさらに追い出す可能性がある。

ロシアが2022年にウクライナに侵攻した際、アメリカとヨーロッパは、ロシアへの旅客機販売と支援サービスを停止した。同様に、中国がロシア、イラン、北朝鮮への軍事経済支援を行うことにより、アメリカとヨーロッパは、中国への旅客機販売と支援サービスを停止する可能性がある。特にこれらの航空機が台湾への軍事行動を直接支援する場合には、可能性が高い。

現在、中国への旅客機販売と支援の停止は、中国の侵略能力を削減し、ボーイングとエアバスが市場のリーダーシップを維持するのを助けるだろう。