中共(中国共産党)は、SNS上での「見栄を張る行為」を禁止するという通達を最近発表した。中国経済の減速と若者の失業率の上昇を背景に、政府の真の意図に対する議論が活発になっている。
「お金持ちの方々は気をつけなければならない。お金がない人たちには無関係な話だけど」
中国人青年、喜陽陽さんはこう語った。
最近、中国のネット上の有名人たちの間で大きな動きがあり、贅沢な生活をSNSで誇示していた複数のインフルエンサーが、当局によってアカウントの凍結や発言の禁止を受けている。
その中には、TikTokで430万人以上のフォロワーを持つ「王紅權星」、290万人以上のフォロワーを持つ「柏公子」、230万人のフォロワーを持つ「鮑魚家姐」など有名なインフルエンサーも含まれる。
彼らは、共通して自分たちの豪華な生活様式を頻繁にSNSで公開しており、中には高級ブランドの宝飾品を自慢したり、ライブ配信で自分が購入した高級品や高級車、高価な衣類などを見せびらかす。
それに対して、喜陽陽さんは「ただ、このニュースは私たち一般市民にはさほど影響はない。私たちにはお金がないからね」と語った。
評論家たちは、中国での富の誇示が以前からずっと深刻な問題だったと指摘している。政府が今回、取り締まりを強化した背景には、中国で広がる貧富の差を隠す意図があると見られている。
カナダに拠点を置く元北京弁護士、賴建平氏は「現実の社会では、多くの人々が中共の政策の逆行によって、近年の経済停滞に直面して苦しんでいる。また生活が困窮し、借金で苦しむ人が増え、負債が積み重なっている。このような状況で、多くの人々は心理的に大きな不満を感じ、政府に対する不満が高まっている。政府はこのような不満が広がるのを防ぎたいと考え、心理的な不均衡の拡大を恐れている。そうなれば、人々は社会に対して恨みを持ち、制度に反感を抱き、共産党の統治が不安定になり、社会的な圧力が増し、不安定な要素が生まれるだろう」と語った。
海外の中国語ニュースサイトで、多くの華人ネットユーザーが活発に議論している。中国経済が減速し、若者の失業率が高い状況で、一部のネットユーザーは中共が人々の心理的不安や民衆の怒りを恐れているとの見方を示している。
ワシントン情報戦略研究所の経済学者、李恒青氏は次のように語った。
「中国経済は非常に厳しい状況に直面している。現在、多くの若者が職を見つけられず、公務員の給料の支払いも遅れがちで減少している。実際には皆が苦労しているが、このような不平等を公には話してはならないとされている。他の人が高級ブランド品などの高価なものを享受しているのを見ても、私のような庶民は持つことはできない。だからこそ、この問題を抑え込む必要がある」
専門家によると、これは中共が政権安定を維持するための手段の一つであり、極権的な統治を保つことが目的だが、その結果、逆効果になることもあり得るという。
李恒青氏は「現在、社会は共産党の統治に対して失望感を抱いており、このような不信感が広がっている中で、最終的に政府の言うことを信じる人はいなくなるだろう。どんなに説得されても、人々はもう信じない」と語った。
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