蔡英文総統が8年間の任期終える

2024/05/21
更新: 2024/05/21

中華民国史上初の女性総統、蔡英文氏が5月20日に任期を終えた。

この8年間、中国共産党(中共)からの圧力が増す中、台湾は国際社会での影響力を拡大し、変化する世界情勢の中で米国や日本といった民主主義国家との連携を深めてきた。ここでは、蔡英文政権下での台湾の歩みを振り返る。

蔡英文総統は8年間の任期を振り返りながら、自身の評価として、台湾が「世界の台湾」としての足跡を残したと述べた。

蔡英文総統は、国防の独立性、国際的な地位の向上、長期介護政策などで国民の支持を集め、2016年には台湾史上初の女性総統に就任し、2020年には選挙で選ばれた総統として過去最高の817万票を獲得した。

その8年後も、民進党は政権を維持しており、これは政策の実効性だけではなく、顧立雄氏が言及するように、蔡英文総統が持っている「挑戦を受け入れる勇気」によるものだ。

台湾で女性としてはじめて三軍統帥についた蔡総統は、8年間にわたり人口2300万人の小さな島国を指揮し、「挑発に乗らない」「無謀な行動は避ける」「現状を維持する」という方針で、中共からのさまざまな策略や脅威に対して冷静に応じてきた。

蔡総統は就任以来、中共からの台湾の農産物に対する経済的圧力や、軍と海警による領海への侵入といった挑戦に直面した。この期間、中華民国は10か国との外交関係を失った。

2022年、ナンシー・ペロシ米国下院議長が台湾を訪れた際には、中共は台湾周辺での軍事演習を行い、強い脅威を示した。

2019年、香港で「反送中」運動が盛り上がる中、台湾は中国が提案する「一国二制度」の台湾版の真意を迅速に見抜いた。

また、中国の不明瞭な戦略や偽情報、認知戦に立ち向かいながら、国防の自立と決意を強く訴え、高等ジェット練習機「勇鷹」や潜水艦「海鯤」の成功を世界に示した。

その時期、世界は大きな変化の最中にあり、蔡英文政権が始まった頃、米中の貿易戦争や技術競争が激化する中で台湾は「投資台湾プラン」を打ち出した。

この計画は、台湾企業が中国市場への進出に直面する困難を解決し、台湾の半導体産業を世界の供給チェーンにおいて欠かせないものにした。

結果として、「台湾海峡」は世界経済と貿易の安全にとって重要な問題となり、最近の国際首脳会議では頻繁に議論されるトピックとなっている。

現在、台湾は世界で21番目に大きな経済力を持つ国であり、過去8年間で平均経済成長率は3.15%を記録している。これはアジアの「四小龍」香港、シンガポール、台湾、韓国の中でも最も高い成長率だ。