中国では年間800万人が行方不明者となり、その背後には強制的な臓器摘出の疑いが指摘されている。今年5月1日に施行された新規則が、この問題をさらに浮き彫りにした。
増加する行方不明者やソーシャルメディアで拡散される誘拐の映像により、多くの人々が不安を感じている。この記事では、証言者たちの告発や国際社会の反応を交えながら、中国の臓器移植に関する闇に迫る。
今年の5月1日に施行された中国共産党政府の新しい規則「人体器官の寄付及び移植に関する規定」が、新たな問題を提起した。
最近、中国の若者たちの行方不明者が増加しており、ソーシャルメディアでは、中国の都市部で強引に車に押し込まれる人の映像が拡散されている。
これらの映像は衝撃を与えており、多くの人々がこれらは臓器移植と関連しているのではないかと疑念を抱いている。ある映像では、女性が道路を横断している最中に突然車に押し込まれる様子を記録している。
別の映像では、歩行中の二人組の一人が何らかの縄で車に引きずり込まれ、その車がすぐに走り去る様子を映している。
中国で年間800万人が行方不明
中国のメディア業界で長年活動している趙蘭健氏は、2022年まで中国で生体臓器の摘出や大規模な人口失踪が実際に起こっているとは思ってもみなかったと述べている。
2022年2月に趙氏が雲南省怒江を訪れた際、趙氏は人身売買の被害者である3家族と接触し、幸いにも3日から4日の間にある家族の5番目の妹を無事に取り戻した。
しかし中国で、こうした人身売買に関する調査をすると、様々な方面から強い抵抗を受けるようだ。
チベット東部にルーツを持つ少数民族リス族の、高齢の母親阿納布さんの娘さんを捜す手助けをしようとした際、趙氏はその情報を新浪網に掲載した。ところが全ての情報は中国のネット監視機関によって削除された。
他にも雲南省の奥深い山地を訪れた時、失踪者の家族だけでなく、趙氏は公安局にも問い合わせたり、直接、地元で失踪した人々の情報やデータを収集しようと試みた。地方公安局は、これらのデータや事件についての情報を秘匿しており、問い合わせても、犯罪者やテロリストのように扱われ、趙氏の活動を妨げようとしたという。
また趙氏が地方の宣伝部を訪れ、数日間スタッフたちと共に人身売買についての情報を収集しようとした際、趙氏の元に各地の公安局から連続して電話があった。彼は非常に怖い思いをし、最終的には政府と公安局の圧力に屈し、雲南省を去るしかなかった。
趙氏は中国で1年間にどれくらいの人々が失踪するのか調べた。2017年、騰訊網と福建省公安庁が共催した公開フォーラムで、中国新聞社の記者が公表したデータを発見した。それによると、その2017年に失踪した人は800万人に上っていた。
2017年にこれほど多くの人々が失踪していたにも関わらず、その事実はほとんど国民には伝えられなかった。
800万件にも及ぶデータを前にして、私たちは中国社会に対して疑問を投げかける必要があるだろう。こうした中で5月1日から臓器移植の合法化が進む。この流れが将来にどんな影響をもたらすのか、私たちは予測できるであろうか?
ファーウェイのアプリで臓器提供
「大紀元」の主筆である石山氏は、「菁英論壇」の中で、中国国務院の規則に「臓器寄付」という非常に重要な言葉が盛り込まれていることを指摘している。
この「臓器寄付」が実際に自発的なのか、それとも何らかの方法で強制されるのかは、重大な問題だ。中国で発生している様々な事件を見ると、そうした点に疑問を持つようになる。
例えば、ファーウェイの最新スマートフォンアプリには、驚くべき危険な項目が含まれている。このアプリを使用することで、知らないうちに臓器提供者になる可能性がでてくる。これは非常に恐ろしいことだ。
この状況を背景に、中国国内の多くの親たちは、学校で定期的に実施する子供たちの血液検査や健康診断に対して、大きな不安を感じている。これは私たち全員の深刻な懸念事項である。
趙蘭健氏によると、ファーウェイが新開発した臓器提供同意アプリは、同社のスマートフォンファンコミュニティを通じて普及している。このコミュニティは、若い女性が中心で、彼女たちは愛国心が強く、ファーウェイのスマートフォンに夢中になっている。しかし、このコミュニティからは驚くべき報告がある。
それは自分のスマートフォンに臓器提供する機能が組み込まれており、多様な設定や選択肢があるにも関わらず、この機能を無効にできないことだ。つまり、ユーザーは自分の意志に関係なく、スマートフォンを通じて臓器提供を行うことになる。
またこの臓器提供同意アプリを使用している際にはスクリーンショットを撮ることができず、製造側はスマートフォンアプリが証拠を残すことを防ごうとしている可能性を指摘している。
将来、誰かが街で事故に巻き込まれ、その人のスマートフォンが「以前に臓器提供に同意していた」と表示されたら、脳死状態にした後、その人の臓器を摘出して、提供することが起こり得る。想像するだけで、極めて恐ろしいことだ。
臓器狩り、証言者たちの告発
『大紀元時報』の編集長、郭君氏は『菁英論壇』で、中国共産党が関わる違法な臓器摘出の問題について、大紀元が2006年に初めて報じたことを語る。
強制臓器収奪、別名「臓器狩り」と呼ばれる生きた人間から臓器を摘出するという犯罪を、中国共産党の安全保障部門の関係者が内部告発した。
その告発は、中国共産党内に深刻な分裂と派閥間の対立があることを示しており、派閥同士が国際的な世論を利用して争っている可能性を示唆する。
それにもかかわらず、彼が証言した臓器狩りは、当時の中国で広く行われていた。大紀元がこの事実を明らかにした時、多くの人が疑問を抱き、信じることをためらった。
この暴露が実際に影響を与えたのは事実だ。例えば、翌年には中国で臓器移植件数が大幅に減少し、国際社会の注目を集めた。中国共産党が後に始めた自発的な臓器寄付システムは、この問題を隠蔽するためのものだった。
2012年、郭君氏はイタリアのNGOからの招待で国連人権大会に参加し、国連で初めて中国共産党による強制臓器摘出の問題を公にした。わずか2分間であったが、スピーチは大きな反響を呼んだ。
国際社会は中国共産党が行う生きた人間からの臓器摘出という深刻な犯罪を、これまで以上に真剣に受け止めるようになった。アメリカも例外ではなく、入国ビザの申請書に、密かに行われる非合法な臓器移植への関与を尋ねる質問を新たに加えている。
これまでの申請書では、ナチスやテロ組織、共産党、麻薬取引、人身売買などに関する記述が求められていたが、非合法臓器移植についての質問が追加されたことで、アメリカ政府のこの問題に対する認識と重視の度合いは高まっている。
2020年3月、イギリスの独立した法廷は長期にわたる調査を経て、中国共産党による強制的な臓器摘出が実際に行われており、長期間にわたり続けられていると結論付け、中国共産党政権下で行われているこうした行為を人道に対する罪とした。
その法廷は、提出された証拠から、臓器の主要な供給源が法輪功の修煉者や新疆ウイグル自治区の少数民族であること、そして彼らが強制労働所に送られた後、生きた状態で臓器が摘出されていることを明らかにした。
さらに、この独立法廷は、世界中の国々の政府が中国共産党と関係を持つ際には、その取引は犯罪行為に関与している政府と一緒に行っているという認識を持つことが重要だと主張している。
郭氏は、生きている人間から臓器を摘出することは、人類の歴史において最も邪悪な行為であると述べている。これはただの殺人を超えた行為であり、殺人を利用して巨額の利益を得ている前代未聞の事態だ。
この問題は私たちの倫理観や文明の基準に深刻な影響を及ぼしており、一人ひとりが前向きに対応すべき重要な課題だ。すなわち、私たちはこの問題にどう立ち向かうかが求められているのである。特に、多くの中国の人はこの問題の実態を理解し始めており、それが現在の大きな変化の1つとなっている。
現在、中国国内で、健康診断や血液検査に対する不安が広がっているが、その理由として違法な臓器移植がある。違法活動であるにもかかわらず、中国共産党からの公式支援が判明しているのだ。
臓器狩りは中国共産党の影響下で海外にも波及し、東南アジアや中東でも生体臓器摘出が増えており、市民が失踪したり、臓器の盗難事件が多発している。国際社会が対応を怠ると、この問題はさらに拡大し、最終的には人類に対する脅威となる。
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