ドイツ企業 生産・管理を中国から日本へ移転する

2024/04/10
更新: 2024/04/10

在日ドイツ商工会議所は在日ドイツ企業景況調査、「日本におけるドイツビジネス2024」の結果を発表した。ドイツ企業が生産・管理を中国から日本へ移転する動きを加速していることがわかった。

在日ドイツ商工会議所 (AHK Japan)とイギリスの保証有限責任会社KPMGドイツが共同で行った調査は472社を対象に実施し、164社(35%)から有効回答を得た。回答したドイツ企業の38%が生産拠点を、23%が経営機能を中国から日本に移転している。アジア統括本部を日本に置いている企業は26%で、シンガポール(28%)、中国(26%)とトップ3に入った。日本を拠点とする主な理由は、販売の潜在力 (81%)、トレンド調査 (62%)、競合調査 (57%)だった。

94%の企業は経済的安定性を日本でビジネスを展開する最大のメリットと考えている。ついでに93%がビジネス関係の安定性と信頼性を評価している。91%が「安全性、社会的安定性」、90%が「優秀な人材」をあげた。

回答企業の52%は、本社グループの世界全体の売上高および利益の中で日本市場が上位5位にランクしている。92%が2023年に日本で利益を上げ、21%が10%以上の税引き前利益率を達成している。66%は2024年、78%は2025年の売上高の増加を見込んでいる。

経営上の課題について、適切な専門知識と語学力を持つ人材の確保が82%と最も高かった。円安と国債の高さによる為替リスク、財政・金融リスクを最大の課題としている企業は前年比4%増の76%だった。

日独の間でさらなる協力が期待できる分野に関して、53%が環境保護、49%が技術革新、42%がエネルギーと回答した。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。