欧州企業で人員削減の波 景気低迷続く

2024/03/29
更新: 2024/03/29

 

ロシアウクライナの戦争の影響で、経済は低迷を続け、インフレ率は数十年ぶりの高水準に達し、多くの欧州企業が、人員削減や採用の停止に追い込まれている。

以下は、昨年6月からロイターが報じた、人員削減を発表した企業の抜粋。

自動車業界

スウェーデンの安全エアバッグとシートベルトの製造会社、オートリブ(AUTOLIV)は昨年6月8日、約8千人の削減を計画していると発表した。10月30日には、この計画の一環として、フランスで320人の従業員の削減を決めた。

自動車メーカー・ステランティス(Stellantis)は昨年6月28日、オーストリアでの機械式トランスミッションの工場を閉鎖し、300人の職を削減する計画を発表した。

ドイツの自動車メーカー・フォルクスワーゲンは昨年10月27日、ソフトウェア子会社カリアドで従業員2千人の削減を計画していると発表した。

ドイツの自動車部品サプライヤー、コンチネンタル(Continental )は昨年11月、自動車部門で約5千人の削減を検討していると発表した。

英国の自動車触媒メーカー、ジョンソン・マッセイ( Johnson Matthey )は、昨年11月22日、約600のサポート職を削減すると発表した。

フランスのタイヤメーカー・ミシュラン(Michelin)は昨年11月28日、2025年末までにドイツのカールスルーエ、トリーア、ホンブルクの工場を閉鎖する計画を発表した。これに伴い1532人の職が影響を受けることになる。

食品、小売、消費財業界

フランスの小売大手・カルフール(Carrefour)は昨年6月26日、フランスで最大979人のポジションを自主的に削減する可能性があると発表した。

英紙「ガーディアン」は昨年7月13日に、コンシューマーケア企業・ヘイリオン(Haleon)は、英国及び世界各地で、数百人の社員削減を検討していると報じた。

米国のCNNは7月27日に、ビールメーカーのアンハイザー・ブッシュ(Anheuser-Busch )は、米国国内で数百人の社員を削減する予定だと報じた。

スウェーデンの園芸機器及び工具メーカー・ハスクバーナ(Husqvarna)は、昨年10月20日に約300職の削減を発表した。これは、2022年10月に発表された1千人の社員削減計画に続くものだ。

スウェーデンの家電メーカー・エレクトロラックス(Electrolux)は昨年10月27日に、コスト削減と組織の簡素化を目的とした措置が3千の職に影響を及ぼすと伝えた。

工業・エンジニアリング業界

インドの鉄鋼メーカー、タタ・スチール(Tata Steel)のオランダ部門は昨年11月13日、オランダのアイモイデン(IJmuiden)工場で約800人の従業員を削減し、収益性を向上させる計画を発表した。

フランスの鉄道車両メーカー、アルストム(Alstom)は昨年11月15日に、中期目標達成のために約1500人の社員削減を計画していると発表した。

科学技術業界

英国の通信大手・ボーダフォン(Vodafone )は昨年6月15日に労働組合との合意のもと、イタリアで1003人、全世界で1万1千人の社員を3年以内に削減する。

英国通信業者、ヴァージン・メディア(Virgin Media)が2千人の人員削減を計画していると、昨年7月24日付のデイリー・テレグラフ紙が報じた。

フィンランドのノキア(Nokia)は昨年10月19日に、新しいコスト削減計画の一環として最大1万4千人の社員を削減すると発表した。

金融オンライン取引サービスのプロバイダー、IGグループは昨年10月31日に、コスト削減の一環として社員の10%を削減すると発表した。

昨年12月4日に、スペインの大手通信事業者、テレフォニカ(Telefónica)の労働組合広報担当者は、同社は2026年までに、約5100人の従業員をスペインで解雇する計画だと発表した。

その他

情報筋が2023年6月23日に語ったところ、ドイツ銀行(Deutsche Bank)が今後数年でドイツの小売部門の職員の10%にあたる1万7千人を削減する計画を進めていると述べた。

フランスの産業ガスメーカー、エア・リキード(Air Liquide)は昨年7月5日に、フランスで約430人を解雇するかもしれないと発表した。

スイス最大の銀行であるUBSは、昨年8月31日にスイス信貸の買収後、スイスで3千人の従業員を解雇すると発表した。

世界的なポーランド銀行であるBNPパリバ(BNP Paribas)は、昨年10月16日に2024年から2026年にかけて900人の従業員を解雇する計画を発表した。

英国の高級自動車メーカー、ロールス・ロイス(Rolls-Royce)は昨年10月17日に、新しい最高経営責任者(CEO)がより効率的な企業を目指しているため、2500人の従業員を解雇すると発表した。

ドイツの特殊化学品メーカー・ランクセス(Lanxess)は昨年10月18日に、世界中で870人の従業員を解雇する計画を発表した。

フィンランドの製油所およびバイオ燃料メーカーであるネステ(Neste)は昨年11月1日に、再生可能エネルギー分野の競争が激化しているため、世界中で400人の従業員を解雇する計画を発表した。

デンマークの航運会社、マースク(Maersk)は昨年11月3日に、運賃の低下と需要の減少に対応するため、1万人の従業員を解雇すると発表した。

英国最大のアウトソーシング会社であるキャピタ(CAPITA)は昨年11月21日に、世界中で約900人の従業員を解雇すると発表した。

バークレイズ銀行(Barclays)の従業員組合は昨年11月28日に、同行が英国で900人を削減する可能性があると明らかにした。

英国のメトロバンク(Metrobank)は昨年11月30日に、コスト削減の一環として従業員の20%を削減する予定だと明かした。

 

李皓月