ウクライナの諜報機関はこのほど、ロシア軍が発射した北朝鮮製の砲弾のおよそ半数は不発だったと明らかにした。戦争が長引くなか、ロシアは国産弾薬の不足分を補うため北朝鮮から150万発以上の砲弾を輸入しているが、品質は保証されていないようだ。
ウクライナ国防省情報総局のバディム・スキビツキー少将はこのほど、現地メディアの取材に対し、「現在入手可能な統計データによると、ロシアはすでに北朝鮮から150万発の砲弾を輸入している」と語った。いっぽう、「弾薬は主に1970年代から1980年代にかけて製造されたもので、およそ半数は不発弾、残りの弾薬も整備が必要な状態だ」と指摘した。
北朝鮮製弾薬の粗悪さは昨年から指摘されていた。2023年12月、ウクライナ軍参謀長は自身のフェイスブックで、北朝鮮製の砲弾はしばしばロシア軍の火砲の砲身内で爆発(腔発)すると述べた。
ソウルに本拠を置く韓国防衛ネットワークの事務局長、イ・イルウ氏は米ラジオ・フリー・アジア韓国語版の取材に対し、北朝鮮製砲弾の命中率は低いと語った。
イ氏はロシア軍が発射した砲弾の着弾地点を分析したところ、弾痕のばらつき度合いがかなり大きいことがわかった。砲弾の精度が非常に低い、とイ氏は指摘した。
「精度が低いということは、発射された砲弾が、友軍の頭上に降りかかる可能性もあるということだ」
ウクライナ戦争はすでに3年目に突入し、消耗戦の様相を呈している。プーチン氏は未だ停戦する素振りを見せず、ウクライナのゼレンスキー大統領は徹底抗戦の構えだ。国連の統計によると、市民の死者は1万人を超え、世界各地のウクライナ難民は647万9700人におよぶ。
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