「自由が侵害される可能性」 英米から批判受けた香港政府23条草案の内容 

2024/03/02
更新: 2024/03/02

香港において、基本法第23条に関する新規立法案の公開意見募集が2月28日に終了した。

この日、米国務省は、香港政府が提案する基本法第23条の立法案は、香港の「一国二制度」の枠組みを破壊する可能性がある。さらに香港政府が当該条文を使用して海外で脅迫行為を行うことについても懸念している。

英国元首相のデイビッド・キャメロン外相も、香港政府の提案する草案が「英中共同声明」で保障された権利と自由を守っていないと述べた。

今回の立法案は、「香港特別行政区が独自の法律を制定して、中央政府に対する反逆、分離、扇動、転覆活動や国家機密の窃盗を禁止し、外国の政治組織や団体の地域内での政治活動や連携を禁止する」と定めている。

米国務省のミラー報道官は、立法案に定められた「国家秘密」と「外部干渉」について、広範で曖昧な定義に特に注目し、これらの定義が「人々が逮捕や拘留の恐れから自己検閲を選び萎縮効果を生む可能性がある」と指摘している。「香港の基本法第23条に関連する国家安全法の発展、米市民への投資や、香港において米国企業に与える影響を密接に注視している」と述べた。

またミラー報道官は第23条が成立すると、香港政府が当該条文を使用して国境を越えて圧力を加え、米市民や居住者の言論の自由を脅かし、制限することを懸念している。

さらに基本法第23条は、2020年に通過した香港国家安全法の実施を強化し、香港人の権利と自由をさらに制限する可能性があると指摘し、「一国二制度の枠組みを損なうことになる」と述べた。

2020年に実施された香港の国家安全法は、国家分裂、反乱の扇動、中央政府の転覆など、基本法第23条の一部の項目を含んでいて、残りの部分は香港政府が別途立法することになっていた。

香港政府は今年の1月30日に、国家反逆、反乱、国家機密の窃盗、スパイ行為、国家を危険にさらす破壊活動、および海外からの干渉など、基本法第23条の新たな法律に関する公開意見募集文書を発表した。約1か月間の公開意見募集を終え、今年中には立法を完了する予定だ。

英国が強く反対

キャメロン外相は2月28日に、英国は共同声明の署名者として、香港の自由と権利を守る責任があると述べ、香港政府は国際的な基準に従って、国家の安全に関する法律整備をする義務があると指摘した。

この英中共同声明や香港基本法には、香港市民の権利と自由を保障する多くの国際的な協定が含まれている。

キャメロン氏は香港政府に対して、この提案を再考し、市民の意見を真剣に聞くよう強く求め、香港市民の声に耳を傾けることの重要性を強調した。

第23条の立法は2003年に一度提案され、香港で大きな論争を引き起こし、2003年7月1日に大規模なデモが行われた結果、法案の審議は無期限に中止されている。

王若
陳廷