【写真特集】「反共のメッカ」中華料理・西太后 その後は「落ち着きを取り戻しました」

2024/02/02
更新: 2024/02/02

少し前に起きた一連の騒ぎにより、いまや「反・中共のメッカ」となった東京都内(中野区東中野)にある、日本人経営の中華料理店「西太后(せいたいごう)」。その後、どうなったのか。

「中国人お断り」と掲示したこの店に、在日の中国人インフルエンサーが相次いで訪れては嫌がらせをするため、一時は営業日でも店を開けられない状態になっていた。

ところがその後、効果てきめんの「魔除け札」を貼ったことで、迷惑な中国人は来なくなった、という話である。

1月27日のランチタイムに、記者(李凌)はこの「有名店」に行ってきた。

店先から店内までびっしりと、習近平を暗喩する「クマのプーさん」や「六四天安門事件」「香港独立」「チベット独立」「台湾独立」など、とにかく中国共産党が嫌がるような「反共ポスター」を掲示していることは、以前からSNSの投稿を通じて知っていた。しかし、いざ店内に入ってみたら、そのグッズの多さと豊富さにびっくりだ。

店に入って、まずお出迎えしてくれたのは、イスに座った少し大きめの「くまのプーさん」のぬいぐるみだった。

「西太后」店内に置かれた反共グッズの数々。(李凌/大紀元)

その手には「中共党首の顔付き」の、くまのプーさんグッズを持っている。いきなり、あからさまな「習近平いじり」である。

それから、壁から窓まで、貼れる所であればどこにでも、何かしら貼ってあるという感じだ。香港独立支持系、台湾独立支持系、六四天安門事件関連、反共系など、実にそのジャンルは多岐にわたっている。

特に目を引いたのは、パソコン画面に繋がれた「小さくはない防犯カメラ」である。なるほど、これで証拠を撮られるなら、この店で故意に騒ぐ人間はいないだろう。

「西太后」店内に設置された防犯カメラ。壁面には、支持者からの応援メッセージも。(李凌/大紀元)

店内も店外も埋め尽くすほどの反・中共ポスターが、なぜ「魔除け」になるのか。

それは、そういった政治的に敏感なワードが入った画像や動画を中国のSNSに投稿すると、中国の検閲当局によってアカウントが削除されるからである。

「中国人を差別した!」などと言って、以前この店を訪れて騒いでいた中国人インフルエンサーの「目的」は、ひとえにSNSでの拡散にある。それが自身の宣伝にもなるし、収入にもつながるのだ。もちろん彼らは、純粋な愛国心でやっているのではない。

つまり、わざと暴れて、せっかく撮った動画が投稿できず、削除されるなら「わざわざ騒ぎを起こす必要性」もなくなるわけである。

「あれから迷惑な中国人インフルエンサーは、こちらに来てないですか?」と店主に聞いてみると、やはり来ていないそうだ。

「騒ぎは3、4日で終わったよ。あれからは、もう来ていない」「いい魔除けが入ったからね」と店主は自慢げに語る。

隣の席の女性客から「YouTubeを見て、ここに来られたんですか」と、記者は話しかけられた。

常連さんであるという、その女性によると「この店には、近所の人が多く訪れます。このごろ、ようやく落ち着きを取り戻してきましたよ」という。

「西太后」店外に掲げられた反共ポスター。「台湾独立」や「チベッド独立」支持の張り紙のほか、六四天安門事件、「四通橋事件」、店に騒ぎに来た中国人インフルエンサーたちの顔写真など。(李凌/大紀元)

 

「西太后」店外に掲げられた反共ポスター。「89」「64」は、1989年6月4日の六四天安門事件を表す。(李凌/大紀元)

 

「西太后」の反共グッズ。土下座する中共党首の顔をしたプーさん。(李凌/大紀元)

 

「西太后」店外に掲げられた反共ポスター。「香港独立」の文字や中共党首を揶揄する画像。(李凌/大紀元)
「西太后」店内に掲げられた反共ポスター。(李凌/大紀元)

 

画像(左)は「西太后」店内に掲げられた反共ポスター、画像(右)は台湾空軍パイロットが着用しているワッペンの画像。(李凌/大紀元)
「西太后」店内に置かれた反共グッズ。香港民主化デモの代表的なスローガン「香港を取り戻せ、時代の革命だ(光復香港,時代革命)」が書かれたグッズの数々。(李凌/大紀元)

 

「西太后」店内に掲げられた反共グッズ。ヒトラーの顔した「くまのプーさん」の背後にあるのは台湾兵士を模した黒クマが「プーさん」にパンチするワッペン(台湾空軍パイロット着用)。(李凌/大紀元)

 

「西太后」店内に掲げられた反共グッズ。「台湾に手を出すな」と書かれたタオル。(李凌/大紀元)
「西太后」店内に掲げられた反共グッズ。ヒトラーの顔をした「くまのプーさん」が手にしているのは台湾の国旗と台湾総統選候補「頼清徳」氏の応援旗。(李凌/大紀元)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。