「せっかくの良いカードが無駄に」で投稿削除の珍事発生 習近平を揶揄したからか?

2024/01/23
更新: 2024/01/26

一見すると「政治とは何の関係もないSNS投稿」であるが、それが中共当局によって削除された。すると「削除されたこと」が注目されて、もはや一つの「事件」にまでなっている。

そのSNS投稿とは、何のことはない「甥っ子とポーカーをした時のエピソードについて語ったもの」である。

なぜ削除されたのかは、中共の当局に聞いてみなければ分からない。ただ、中国の巷間では、こう言われている。「習近平を、暗に揶揄したからだろう」。

その内容は「遊び方を知らない甥っ子が、せっかくの良い牌(カード)を手にしているのに、それを生かせず、散々に負けた」である。

今月16日、中国SNSウェイボー(微博)ユーザーの「ヘンリー博士(亨利博士)」は次のように投稿した。

「昔の実話を思い出した。甥っ子とトランプで遊んだ時のことだ。彼は遊び方を知らなかったが、キング(最強)カード2枚、数字2(最強キングカードの次に強い)のカードが4枚だ」

「実に良い札ばかりが手に入った。ところが甥っ子は、いきなり王炸(最も強い組み合わせ、キング2枚を同時に出す)を投げ出してきた。みんな愕然とした」

「それから次に甥っ子は、4つあった2(同じ数字のカードを4枚を出すと最強組み合わせの王炸に次ぐ強い組み合わせとなる)をなんと、1枚ずつ出したのだ」

「こうやって、最強カードをすべて出し切ってしまった。手元に残ったのは3、5、7、9という、つながりのないカードだけ。彼はどう出したらいいのかわからなくなった。何がいけなかったのか、本人は最後までわからなかったようだ」

「ヘンリー博士(亨利博士)」の投稿の概要は、以上である。これに対して、米国を拠点とする中文・英文メディア「中国数字時代」が抜粋したネットユーザーのコメントのなかに、次のようなものがあった。

「あなたの甥の苗字は習だろう」

「あなたの甥も清華大学出身なの?」

「甥は、小学生でしょ?」

「甥が誰かって。みんな知ってるよ」

「12年間、せっかく良いカードを持っていながら、今日のような散々たる局面にできるなんて、そこら辺の人にはできないワザだ」

「手元に残ったカードが3、5、7、9で良かったよ。もし8、9、6、4(六四天安門事件を暗示する数字)だったら、あなたの投稿は発信すらできないだろうから」

中国共産党の首魁・習近平は、文革のため、中学も高校も卒業していない。したがって、習近平の学歴が小学校どまりであることは、中国でも有名な話である。

ところが、中共メディアに掲載されている習近平の公式な最終学歴は、一体どういう手品を使ったのか、中国の最難関大学である「清華大学の大学院卒。法学博士」ということになっている。

そんな習近平が、この12年間にわたり、手持ちの良いカードを捨てるように、有能な人材をばさばさと切り捨て、イエスマンではあるが無能な人間ばかりを周囲に置いてきたことも、よく知られている。

そのため、現在の中国のような、経済も社会も全てが荒廃した惨憺たる状態を招いた。

「良いカードを持ちながら、それを生かせず、散々に負けた」という話を聞けば、今日の中国人がまっ先に思い浮かべる人物は、ただ一人。「苗字が習の」あの人物である。

ヘンリー博士(亨利博士)のこの投稿は、その文章自体が、具体的な意味をもつものではない。「甥を相手にポーカーをした」では、何を言っているのか不明なのだ。

だとすると、この投稿者は、各ユーザーから寄せられる面白コメントとともに「たぶん削除されるかな?」ということも想定の上で、言論統制をする中共当局をからかうように「ちょっと遊んでやった」のではないか。

 

ウェイボーユーザーの「ヘンリー博士(亨利博士)」による投稿。(中国のネットより)

 

ちなみに「せっかくの良い牌(カード)を台無しにした」という話は、香港メディア「香港01」の、2022年8月22日の掲載文章のなかにも登場していた。

その文章は「鄧小平生誕18周年」という奇妙なタイトルがついたものであったが、その内容は、やはり習近平を暗に批判するものだった。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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