アメリカとイスラエルの共同空爆を受け、イラン当局は3月1日、最高指導者ハメネイ師が攻撃により死亡したことを認めた。これについて、ジャーナリストの矢板明夫氏は、米軍の今回の行動は習近平に対し少なくとも「三重の打撃」を与えたと分析している。
3月1日、矢板氏はXに投稿し、かつて「中東最強の反米国家」を自称していたイランが、これほどまでにあっけなく崩れるとは多くの人が予想だにしなかったと指摘。「地球の裏側では、東方の大国の独裁者である習近平が、おそらく布団の中で震えていることだろう」と述べた。
矢板氏はさらに、「イランで起きたことは、実のところトランプが習近平に突きつけた先制パンチであり、同時に習近平が長年まとってきた『隠れ蓑』を剥ぎ取った。なぜなら、今月末の3月31日から4月2日にかけて、トランプが北京を訪問するからだ」と語った。
これまで多くのメディアは、アメリカは中国共産党(中共)との対立を望んでおらず、中国側に何らかの譲歩をする可能性さえあると報じてきた。親中メディアの中には「トランプは台湾を売り渡すために中国へ行く」と主張するものまであった。
これに対し、矢板氏は、トランプは原則的な問題において決して中共に妥協しないとの見解を示している。トランプ政権発足以来、習近平は常に彼の最も重要なライバルの一人であった。イランでの出来事は、一見すると中東情勢だが、実際には中共と密接に関わっている。矢板氏は、米軍による今回の軍事行動が習近平に与えた「三重の打撃」を以下のように分析した。
第一に、中共が誇ってきた「世界を導く大国」というイメージの崩壊である。
中共を盟主と仰いできたイランのような戦略的同盟国(いわば「弟分」)を、中共は守る勇気も能力も持ち合わせていなかった。そのような状態で、中共がいかに世界へ力を誇示できるというのか。
第二に、中共が宣伝してきた防衛システムの神話が現実によって打ち砕かれたことだ。
今年1月に事態が起きたベネズエラ、そして今回のイランは、いずれも中共製兵器の主要な輸出先である。防空施設や戦略的配備が米軍の前では無力であることを、世界は目の当たりにした。多くの国々が、今後も中共から兵器を購入する価値があるのか再評価することになるだろう。
第三に、最も深刻な点として、習近平個人の安全神話が崩れたことである。
このレベルの「斬首作戦」を実行できるのは、世界最強の軍事力を持つ国だけだ。「トップ」が全世界の前でこのような能力を誇示した以上、強硬姿勢を自称する他の指導者たちは、自らの立ち位置を再考せざるを得ない。
矢板氏は次のように締めくくった。 「トランプ氏の北京訪問は、きれいごとを並べに行くのが目的ではない。交渉の前に『まだアメリカに歯向かうつもりか?』と、相手に冷酷な現実を突きつけるためだ。その手法は、反抗的な相手を力でねじ伏せる専門家のようである。まず圧倒的な武力や圧力という『劇薬』を投与して戦意を喪失させ、相手が屈服したところで、ようやく自分のペースで条件交渉を進めるのが彼のやり方なのだ」。
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