日本では、移民は基本的に労働力として扱われ、本来の意味での移民政策が存在しないとも言われている。どういうことなのか?
2019年4月から「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が施行されたのだが、一般に「改正入管法」と呼ばれているこの法律が、事実上の「移民法」であると言われている。
短期の外国人単純労働者の受け入れ=非専門的・非技術的分野
日本は移民を積極的に受け入れることはしていないが、非専門的・非技術的分野における労働者の不足から、それらの分野における上限5年の短期の外国人労働者を受け入れているのだ。
それが1993年に発足した技能実習制度であり、「技能実習」という在留資格を作ったのだ。これにより、技能実習を名目に外国人単純労働者の受け入れを可能にした。人材が不足する分野での労働力を、外国人に求めたわけだ。2019年の特定技能制度(追加された在留資格)で、深刻な人手不足と認められた14の業種に、外国人の就労が解禁された。 これらの業界での仕事に(単純労働を含む)創設以来、労働者として外国人の受け入れを認める新たな在留資格、実質的に移民政策と言ってもよい方向転換が行われていたのだ。その分野とは農業、漁業、食品製造、繊維・衣服関係など。これを正確に知らされていた日本人はどれほどいただろうか?
「変化」を知らせない政府
「移民問題は日本人の国のあり方を変える」と一部根強い反対意見がある。また、政府が外国人の定住化、実質的な移民政策を打ち出しているにもかかわらず、その事実を国民の多く、さらには海外にも十分認知させていないことが問題なのだ。
岸田文雄首相は人口減少を踏まえて「外国人と共生する社会を考えていかなければならない」と語っているが、具体的な詳細は知らされていない。まるで彼の言う「新資本主義」と同じパターンにも思える。
筆者が問題にしているのは、例えば、子供のころから反日教育をしている隣国からの移民を受け入れるとき、起こるべき文化的軋轢をどのように解決するつもりなのか? 受け入れ態勢はこのままでいいのか? 文化は日本国民固有の物であり、政府だけのものでもなく、産業・実業界の物でもない。移民をこれ以上増やせば、必ず異国の文化・文明との出会いが起こるわけで、誤解や認識不足による軋轢や問題が必ず起こると想定される。
実際にすでに起こっている。
文化や軍事に重要な土地の爆買い、イスラム教の土葬の問題、左翼に先導されたヘイト問題、クルド人などなど。にもかかわらず、片言の日本語教育や表面的な日本文化の教育だけで、5年の在留を許すようにしたいのなら、現状は片手落ちだろう。その外国人に対する我々の教師は、相手国の文化を深く学び、どんな問題が生じるかを予測して、教育することが必要だろう。
先のオリンピック以来、「おもてなし」の心を世界に発信した日本だが、今日の日本の都会、店頭でお客対応をしているのは、皆、外国人ではないか? 「おもてなし」がちゃんとできているのだろうか? 人手不足と人件費の節約だけを考える実業界に、この問題を預けてはならないのではないか?
日本の各種特定技能と技能実習生の合計人数だけで、2023年6月時点で約53万人に達した。日本には他にも永住者が88万人、特別永住者28万人、定住者21万人などが存在し、移民とはすこし違うが、日本の文化への影響を考えなければならないのではないか。
そういう背景を敏感に感じ取ったSNSのX(旧ツイッター)などを見渡すと、現在の移民状況に異を唱えるインフルエンサーは多い。なぜか? 筆者も感じているが、何かが壊れているような気がしてならないからだ。
アラブの春から始まった民族大移動のような歴史的移民や難民の増加に対して、欧州では英国がEUを離脱したり、各国で自国優先性、ナショナリズム政党の台頭を生じさせている。職が失われ、異文化との衝突が生じているためだ。それと同じことが日本でも起こり得ると危惧するのは当然のことだ。
例えば、はっきりものを言うインフルエンサーのamiさんのツイートを見てみよう。
最初にお断りしておくが、我々エポックタイムズは岸田政権に反対しているのではなく、移民に対して十分な対策をしているとは思えない政府の怠慢を、オピニオンとしてここに記したいだけだ。
https://twitter.com/amisweetheart/status/1739854858868723924
移民問題は、国民の民意をもって決める文化の問題ではなかったのか?
例えば、総務省の人口統計を見ると、コロナ前の2018年6月統計では、在留資格者の合計が304万人いたという。2023年6月の政府統計では323万人。コロナ直後であるにも関わらず6.2%も増えている。これは短期観光やビジネスの来訪者を除いた数字であり、まさに日本の勤労を支えていると言えるかもしれない。
現在の日本の人口は1億2500万人、内323万人、2.5%が在留外国人ということになる。また、2023年6月9日には、NHKによると、熟練技能を持つ外国人の在留資格で、事実上、無期限に滞在できる「特定技能2号」について、農業や飲食料品製造業など11分野に大幅に拡大する方針が閣議で決った。拡大方針が決まったということ。
毛沢東の「砂を撒く(他国に自国人を住まわせ、じっくり人口を増やして他国の乗っ取る)は、ウイグルやチベット、モンゴルなどで実際に行われている」これは、戦略の一部になりうる話かもしれない。あるいは、中共の「超限戦」の一部に利用されるかも知れない。ここではこの話題に多くは触れないが、手段を選ばずに他国を侵略することを是とする国家が現実に存在していることは、優しい日本人もそろそろ気づいても良いころだろう。
イスラムと、異文化の衝突を起こしている現在の欧米の移民政策を研究し、且つ欧米の問題に関して研究して、何が問題なっているのか、異文化との軋轢を防ぐために、受け入れ体制を構築する必要がある。それが国の文化に甚大な影響を与える事柄である以上、政治家や官僚、あるいは企業・産業の団体に任せるのではなく、つまり既得権益だけで動き判断するのではなくて国民が十分な議論を行い、決めるべき問題ではないか。
また、それは他国で行われている年少期からの反日教育に対しても、その教育を受けた人が日本での在留資格を求めるなら、日本国として、適切な対応・要求が含まれなければならない。https://www.moj.go.jp/isa/content/001407633.pdf
難民の人数増加による問題
アラブの春は2010年から始まった。現政権に対する民主化要求のための抗議・デモ活動がシリア内戦へと続き、シリアを逃げ出す難民の人数は、2018年時点で665万人以上にものぼっており、現在も増え続けている。シリア国内には難民として登録されていない国内避難民が2011年以降追加で610万人以上おり、合計すれば1275万人にも上り、今世紀最悪の人道危機と言われる状況が生じている。
難民流出が2番目に多いアフガニスタンの268万人、3番目に多い南スーダンの228万人と続くのだが、さらに、2022年2月に開始されたロシアによるウクライナ侵攻に伴い、 750万以上の難民がウクライナを離れ、5月3日までに推定800万人が国内で避難生活を送っている。また、ミャンマーのアウンサンスーチー氏が逮捕軟禁され政府の再軍政化によって100万人の難民が加えられる。これらの合計だけでも2621万人にもなる。
(出典:「難民の出身の多い国」)外務省。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)による数字では合計2940万人が難民としての支援対象者として存在するというのだ。また、590万人のパレスチナ難民が別枠で存在する。国内避難民と呼ばれて、その国内で避難している6250万人も忘れてはならないだろう。地球はどうなってしまうのかという人類史に記録される出来事だ。
移民研究の重要性
人の意図を許さないのが天象。世界的に難民、移民が生じている。
他国の文化や経済に影響を与えているのは、国外に脱出した難民であり、定住の地、安心の場所を求める家族単位の移民たちである。この人たちの行き先が、欧州で文化的な軋轢を起こしているのは周知の事実。だが、援助しなければ幼く弱い子供たちは、飢えと病気によって天に召されてゆく。
しかし、移民や難民は、その受け入れ制度を緩くすれば、当然異常な速度で増える。日本の外には、北朝鮮という貧しい国があり、且つ、中国でさえ9億人以上の人が、月収およそ4万円で暮らしている。人口9936万人のベトナムでは、平均月収は3万5千円だ。ほぼ破壊された中国経済はさらに落ち込んで、仕事もなく所得も下がってゆくのが予想されているのだ。もし中国共産党が滅びたら、一体何が起こるのだろう。社会福祉が充実した日本に移住したいと考えるのは切実な思いなのだ。
日本に、差別はないと断言することはできない。しかし多くの日本人は、区別はしなければならないが、差別というネガテイブな感情を持つ人は多くない。そういう優しい民族を間違った方向に導いてはいけないだろう。
対策案として、
今後出てくる移民との軋轢や問題を防ぐためには、事前に法整備が必要だ。法と礼節を守るものだけに長期在留を許すようにする。事は単純だ。
1.子供のころから反日教育を受けた外国人は脱洗脳教育を受けることを、長期在留者(3か月以上)には義務付ける。
2.同様に、中共の反スパイ法などの母国の法律に縛られる在留人には、日本国内においては、日本の法律が優先することを学ばせ、それに従わない者には資格取り消し、国外追放などの罰則を与えることを明記したうえで、それに従うことに宣誓させる。宣誓しないものは入国させないし、在留させない。
3.日本と対象異国の文化的違いを教育し、日本文化を尊重しないものには、入国在留を許さず、国外退去とする。
4.日本の礼節を重んじ、守れないものは、3と同様とする。
5.日本の知的資源あるいは財産に携わる外国人には、日本政府及び関連機関による定期的な諮問をうけさせ、交友関係や行動実績の開示と自己資金の流れを、内外の口座を含めて開示させること。これができない者は入国在留を許可されないようにすること。これは高度技術に関わる日本人社員に対しても同様にすべきだ。
6.反日的な発言や行動をするものには、その証拠が得られた場合には、在留資格を取り消して、国外退去を命ずる。これは旅行者にも在留者にも適用する。これは政治亡命者にも適用される。母国で犯罪を犯している者も同様である。
在留人の法律無視や逸脱を放っておけば、問題が大きくなる。日本社会を破壊しようとする勢力や団体に、愚かにも意見を求めるから、肝心のポイントを外された方法が出てきてしまう。あるいは利益、コストだけを主に考える愚かな考えに、その場限りの愚策をゆるしてしまうのではないか?
筆者と同じように考えるSNS上のインフルエンサーは多数存在する。
NHKによると、日本政府は2023年4月24日、自民党に対し熟練技能を持つ外国人の在留制度「特定技能2号」の資格拡大を検討する方針を示した。移民はひっそりと拡大されているのだ。政府は何をやるにしても、「報告責任」あるいは国民に理解させる義務があるはずだ。この記事を読んだ人は、上記の政府方針がどんな内容であるかが、即座に理解できただろう。しかし、一般の人は、これが日本文化の破壊につながるかも知れない愚策リスクがあることを知らない。
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