Casey Hall Amy Lv
[上海/北京 6日 ロイター] – 中国で金現物購入の動きが若者層に広がっている。ゼロコロナ政策解除後の景気回復が期待ほど進まず、不動産市況悪化や株価と人民元の値下がり、低い預金金利によって「安全資産」の選択肢が減り、金に目が向いた形。将来の経済成長が不透明になってきたという事情もある。
北京の製薬会社で働く26歳の女性は「労働市場はあまり良好ではない」と語り、雇用不安を抱えているが「金を買うことで気持ちが上向く」と明かした。
中国は世界最大の金現物購入国。アナリストらは、今年に入ってからの世界的な価格高騰において、中国の旺盛な需要が一段と大きな要素として働いていると指摘する。4日にはスポット価格が過去最高を更新した。
香港に拠点を置く周大福ジュエリーグループが中国で行った10月の調査では、純金宝飾品の購入希望者の70%が18―40歳。従来の購入層は全体的にもっと年齢が上だった。同グループのマネジングディレクターは「18歳から24歳の人たちが金宝飾品を買い始めたことにとても驚いている」と述べた。
中国のソーシャルメディアでは堅実な純金積み立てに関する書き込みが非常に多い。低所得者でも450―550元(63―77ドル)あれば買える1グラムほどの小さな宝飾品や大理石のような金の「豆」(ゴールドビーンズ)がお薦めという。
中国の金現物価格は世界のスポット価格よりも高い。上乗せ価格は9月中旬に過去最高の1オンス当たり121ドルを記録した。足元の過去1週間では25―35ドルに落ち着いたものの、通常の5―15ドルの範囲を上回っている。
デジタル・ラグジュアリー・グループのコンサルティング担当マネジングディレクターは「利息や不動産市況、株式相場はまったくさえない。こうした状況では金はちょっとしたユニコーン(希望の光)だ」と話した。
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