このほど、香港の小学校で教えるカリキュラムのなかに「中共の洗脳内容」が大量に追加されたことがわかった。現場で教える教師のなかからも反発が出ており、「このような教育を強制されれば辞職する」という教師もいる。
香港教育局が23日に公表した最新の小学校の「人文科」のカリキュラムのなかに、「愛国心」や「国家安全保障」などを名目にした中共の洗脳的な教育内容が、全学年の授業に大量に追加された。
新たに追加された内容のうち、一部を取り上げる。
たとえば、一年生のカリキュラムでは「自分は『中国人』であり、『国があるからこそ家がある』」という内容。二年生では「香港は古来より中国の領土だった」。三年生では「国安法(香港国家安全維持法)」の紹介、および「国安法がなぜ香港にとって重要なのか」「中国軍が香港に駐在する意義」「国土を守ることの重要性」などを教える内容が追加された。
また、四年生からは「重要な情報やデータは保護する必要がある」といった、いわゆる「国家安全保障」の内容が加えられている。
五年生からは「国家安全保障問題」などの内容。六年生からは「香港が中国共産党による指導下で重大な成果を出した」といった内容のほか、「国家安全保障と香港国安法」さらには「中国が世界平和を守り、共同発展を促進させている」といった内容まで含まれている。
一部のメディアの報道によると、この新カリキュラムのなかには、「安全保障」のワードが計123回、「国家安全保障」は31回、「国安法」は13回、「一帯一路」は15回も登場するという。
これに対して、6年前の2017年に香港教育局が公表した小学校カリキュラムのなかで、「国家安全保障」のワードは一度も登場しない。
海外の香港人が創立した新興メディア「追新聞」によると、「この新カリキュラムは洗脳教育と同じで、次世代を毒するものだ」として、反発する香港の教師もいるという。
香港で教師をしている李さんは、「カリキュラムの枠組み全体が、これほど洗脳的な内容になっていることに驚いている」という。さらに李さんは「もし、この洗脳内容のカリキュラムで生徒に教えるよう学校から強制されれば辞職する、という同僚教師もいる」と明かした。
教師である李さん自身も「近年、自分自身が信じない内容について(生徒に)話さなければならないことに苦しんできた」と述べている。
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