フォックスコン創始者・郭台銘氏 中華民国総統選からの撤退を表明

2023/11/24
更新: 2023/11/24

フォックスコン創業者の郭台銘(かく たいめい)氏は本日(24日)午後、中華民国総統選(台湾総統選挙)から撤退する声明を発表した。2020年総統選の土壇場での棄権に続き、総統・副総統登録の最終日に辞退を表明した原因が中国共産党(中共)にあるのかどうかについては明言しなかった。

中共の税務調査を受けていたフォックスコン

郭台銘氏の台湾総統になるという目標は、多くの障害に直面している。郭氏の選挙運動チームは、署名と引き換えに現金を提供した疑いで台湾で調査を受けた。

一方で、郭氏が8月に立候補を表明し、もし当選したら、中共からの脅しには屈しないと述べた後、中共当局はフォックスコンに対して税務調査を行った。郭氏が当選した場合、中共からの圧力を受ける可能性があるとの懸念が高まっていた。 

フォックスコンの完全子会社である富聯科技は、最近、中国国家税務総局と武漢市税務局の第二調査局から、「虚偽の税金計算根拠を捏造・徴税管理法に違反した」として「2万元(約41万円)」の罰金を科されていた。

Taiwan Inspiration Association(TIA台湾の励志協会)の頼栄偉常務理事は、中共首魁・習近平は来年、台湾で親中共の総統を選出することを望んでいるとエポックタイムズに語った。 中共が台湾の選挙に干渉していることは明らかで、台湾企業に歯向かわないように、郭台銘氏のフォックスコングループに税務検査を実施した。罰金が2万元というわずかな金額だった事から見ると「こうした企業圧力などいつでもかけることができる」とアピールした脅しだっだのだろう。

これを受け、頼清徳氏は10月24日、中共に対し、台湾のビジネスマンに圧力をかけたり、選挙中に立場を表明するよう求めたりしないよう呼びかけた。さらに、台湾のビジネスマンが影響を受け、中国に対する信頼を失うことは、双方に害を及ぼすことだと指摘した。自分の使命は現状を維持し、台湾海峡とインド太平洋の平和を安定させることだと繰り返した。

王定宇立法委員は、野党一本化を唱えた侯友宜氏と柯文哲氏は、「フォックスコンを支持する勇気は全くない、民進党と頼清徳氏だけが郭台銘氏のために声を上げたが、野党が当選してしまった場合、台湾が中共にいじめられ、脅迫され、侵略されているとき、(彼らは)頼れる総統になるのか」と問いかけた。

登録最終日 郭台銘氏、選挙撤退表明

郭氏の声明の全文は以下の通りだ

「私は世界のビジネス競争で頭を下げたことはないし、台湾の人々を大切にし続けてきた。誰も頭を下げようとしないのであれば、政権交代を心待ちにしている台湾の人々にとって、耐えることができないだろう。偉大なことを成し遂げた者は、名誉や名声など気にしない。郭台銘は忘れられるかもしれないが、中華民国の未来のために、正しいことを選択することが、私が故郷に捧げることのできるすべての愛なのだ」

「私は選挙から撤退するが、意志は退却しない。『STOP RESET RESTART』どうか選挙に勝ってください。 政権交代を成し遂げ、台湾を変えてください。 中華民国に神のご加護を」

鍾元
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