欧州のロビー団体・ビジネスヨーロッパ(欧州経営者連盟)は、中国共産党の「反スパイ法」と「データ安全法」により、外国企業の投資が困難になる可能性があり、欧中のデカップリングにつながるかもしれないと指摘した。
ビジネスヨーロッパの副事務局長であるルイーザ・サントス氏は、中国の「データ安全法」と「反スパイ法」の厳しい罰則を受け、外国投資家の懸念が高まっていると述べた。
国境を越えたデータの流れに関する中国共産党(中共)の新法は非常に曖昧で、多国籍企業が自社の国際業務に合わせて、通常のビジネスや研究活動を困難にしている。
サントス氏によれば、欧州の法律は強制労働などの問題に関して、より厳しい適正評価手続きを要求している。企業はサプライチェーンのコンプライアンス(法令遵守)とトレーサビリティ(追跡可能性)を向上させなければならない。
しかし、中共はコンサルティング会社業の取り締まりを強化し、ミンツ・グループの中国人従業員を拘束し、またキャップビジョンなど他の会社を調査しており、コンプライアンスをより困難にしている。
多くの企業は中国における事業を海外ネットワークから切り離し、他の国に投資するようになっている。
他の懸念事項としては、中共のウクライナ戦争に対する立場、WTOにおける優遇措置を受けるため「途上国扱い」の見直しに反対していること、そしてビザ発行の遅れを挙げている。
中国商務部は9日、外国人投資家を差別する規制を一掃する事を命じたが、地政学的緊張と3年間続いた都市封鎖などで、投資家はまず中共が次にどんな行動を起こすかを観察するだろう。
不確実性とマクロ経済環境が、外国企業の対中投資を制限している。在中国欧州連合商工会議所が6月に実施した調査でも、中国を将来の投資先としてトップ3に挙げた回答者は55%にとどまり、2010年以来最低の水準となった。
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