地下の現場で崩落事故が発生 当局「工事は無許可」と責任逃れを図る=中国 重慶

2023/11/06
更新: 2023/11/06

今月2日、重慶市の下水道を掘る工事現場で、突然、掘削していた地下の現場が崩落する事故が起きた。この事故で工事関係者2人が生き埋めになった。現地当局の発表では1人が死亡、1人が負傷したという。

ただし、事故発生の当日、現地の管理当局である「重慶両江新区応急管理局」が、事故現場に掲示した「張り紙」が物議を醸している。

その張り紙には、なんと「この建設プロジェクトは無許可だった」と書かれていた。つまり「この工事は無許可であったから、事故の責任は当局にはない」という意味にも読めるのだ。

この信じ難いような「責任逃れ」をする当局の態度をめぐって、ネット上で批判が殺到した。

「当局は許可していないだって? だったらそんな工事、誰がやるものか。そんなことを(無許可で)する度胸があるわけがないだろう」

「何か事故が起きると、当局がやることは、真っ先に責任逃れをすることだよ」

このような当局の「責任逃れ」の背景に何があるか、それを確認する術はない。

ただ、可能性の高い推測を言えば、地方財政は今どこも逼迫した状況にあるため、被害者への補償金もふくめて、事故の責任を負うだけの「お金がない」というのが正直なところではないか。

だからこそ、無理やりにでも「うちの責任じゃない!」ということにしなければならない。事故発生当日の、慌てふためいたような「張り紙」が、その苦衷を物語っている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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