【菁英論壇】恒大集団会長が中共高官の名前を多数暴露 取引総額32兆円か

2023/10/25
更新: 2023/10/25

最近、ネットの情報によれば、恒大集団の会長、許家印が逮捕された後、彼と権力や金銭取引の関係がある中国共産党の多数の高官の名前を供述したという。

これには、退任した役人も含まれ、中国共産党のトップクラスの政治局常務委員9人、政治局の委員やその家族19人、省長クラス88人、中央部長クラスは670人以上が関与している。

これらの関与による取引総額は、約1.6兆元(約32兆円)に上るとされる。中国の不動産業界の危機は、金融リスクや政府、国有企業の巨大な債務問題として次第に明らかになってきており、これがさらなる社会的な危機を引き起こす可能性がある。

米国在住の華人企業家、孟軍氏は、新唐人テレビの「菁英論壇」番組で、許家印のような大手不動産業者は、中共トップ層まで名が通らなければ、そのような巨大な帝国を築くことはできないと述べた。

中国でのビジネスにおいて、企業を大きくしたいならば、関連する部門や指導者との関係が不可欠であり、許家印の総負債金額は2.4兆元(約49兆円)に達していると言われている。またこのような無計画な拡大は、多くの部門が彼の事業の道を開いてきたことを意味している。

土地を取得した後、土地を担保として銀行から融資をし、再度土地を取得し、再度担保として融資をした結果、恒大集団の新エネルギー会社や恒大財富会社など、実態のない多くのプロジェクトや企業が存在する。許家印がこれを実現できたのは、官僚に利益を供与し、支援を受けていたからだ。

現在の情報によれば、許家印が多くの高官の名を供述し、恒大集団との取引で約1.6兆元(32兆円)の資金が流れているとされている。これは驚異的な数字だ。

このような情報が暴露されると、そうした汚い金を持っていない中共官僚が存在するのかと疑問に思う。

政府と国有企業の債務は全体の90%

孟軍氏によれば、中国のビジネス環境には公平な競争が存在しない。民間企業の成長は非常に困難である。民間の企業が拡大し、力を持つと、国有企業によって買収され、資源として利用されることが多いという。

国有企業や中央企業は異なる事情を持っている。これは、彼らが国家資本を背景に持つためである。

そのような企業は、堅苦しい話しをしなくても、単なるあいさつ程度で商談を済ましてしまう。中央企業は特権を持っており、どこに行っても道は開かれる。

地方にそのような中央企業が訪れた場合、地方の人々や組織は中央企業の指示に従う必要がある。彼らは中央企業の意向を常に考慮しなければならない。また、中央企業がローンを望む場合、任意の額や条件で容易に認められることが多い。

逆に、民間企業がローンを求めようとすると、多額の担保や強固な関係が必要であり、その利率も国有企業や中央企業と比較して高い。

中国において、民間企業が経済的に困難な状況にあるのは明らかである。当然、一定の規模まで成長する企業は少ない。中国の専制的な体制の下で、民間企業は多くの場面で犠牲を強いられることがある。当局批判も辞さない中国の大手企業経営者、孫大午の大午グループはその典型的な例である。同グループは成功していたが、最終的に国有企業に買収される運命となった。

大紀元の主筆である石山氏は、最近はよく恒大集団が2.4兆元(約49兆円)、碧桂園が1兆元(約20兆円)以上の借金を抱えていると言われているが、中国の民間企業の借金は国有企業と比べて少ないと指摘している。

石山氏によれば、インターネットで見た分析記事には、中国社会科学院の金融研究所が発表したデータの分析があった。このデータは、政府の債務、国有企業の債務、非金融企業の債務、金融企業の債務、民間企業の債務に分けられている。

この記事によれば、中国の総債務金額はおよそ350兆元(約7170兆円)であった。もちろん、これは公表されている債務だけで、中国の多くの地方政府が公表していない隠れた債務が地方の財政収入の何倍もあるとの指摘がある。最も多いのは江蘇省で、隠れた債務は地方政府の年間財政収入の10倍であった。この数字は非常に驚くべきものだ。

記事によれば、中国の民間企業の債務は全体の約10%しか占めていないが、民間企業が創出する経済効果は非常に高い。これには、輸出、雇用、安価な商品やサービスが含まれる。この大部分は民間企業が生み出している。

石山氏は、よく民間経済は「五六七八九」と言われていたという。これは、中国では、民間経済が全体の50%の財政収入を占め、60%のGDPを占め、70%の技術革新を占め、80%の雇用を占め、90%の企業数を占めていることを示している。

民間経済は中国経済にとって非常に重要で、債務比率に基づいて考えると、民間経済は10%しか占めていない。一方、中国共産党は90%の資源をコントロールしているが、GDPの40%しか生み出していない。

それでは、残りの部分はどこへ行ったのだろうか。多くの資金は実際には他の目的のために流用され、例えば、社会のコントロール、権力の掌握、警察力の強化などに使用されている。

もちろん「一帯一路」のイニシアティブによる他国の買収や、共産党が語る全人類の解放、大々的なプロパガンダにも使用されている。

「大紀元時報」の編集長である郭君氏は、公表された中国経済の成長率が5%であることに疑問を呈した。中国では公式統計数字が実際の経済状況を正確に反映していない可能性が高い。この背景には、「官が数字を出し、数字が官を出す」という中国の言葉があり、これは経済指標に基づいて、役人の昇進のため、数字が操作される傾向があることを示唆している。

さらに、郭君氏は具体的なデータを挙げて比較を試みた。米国の経済成長率が2〜3%である一方、求人広告が街中で見られるなど、経済活動が活発に行われている。

それに対し、中国は5%の成長を公表しているが、失業率の上昇、不動産投資が30%減少し、住宅販売が約90%減少している。さらに輸出が10%以上の減少し、民間投資がマイナス成長しているなど、一連の指標が5%の成長率が出すような数字とは程遠いとは程遠い。

不動産と金融の危機、株式市場は崩壊中

孟軍氏は、経済が悪化し、特に不動産や金融商品が問題となったことが、中国の株式市場に大きな影響を及ぼしていると述べた。A株の上場企業は約3千社から4千社未満であり、そのうち数百社が不動産業や金融業と関連していると指摘した。

石山氏は、現在の中国の株式市場の状況を理解するためには、中国の大きな経済環境を明確に理解する必要があると述べた。