中共が外国企業へ監視強化 英企業を家宅捜査

2023/10/23
更新: 2023/10/23

中国に対する外国企業の不安が増大している。

米中の地政学的緊張が高まる中、中国共産党(中共)は外国企業の従業員の身柄を相次ぎ拘束した。

関係筋によると、中国の警察が10月20日に、広告大手、英WPPグループのメディア取引部門、グループエムの上海オフィスを家宅捜査し、従業員に尋問を行い、高級幹部1人を拘束した。ブルームバーグによると、グループエム幹部1人が逮捕されたほか、2人の元職員も警察に逮捕されたという。

これまでも4月中旬に中共警察は米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーの事務所を訪れ、従業員を尋問し、コンピューターを押収した。

また5月には、ニューヨークと上海に拠点を置くコンサルティング会社のキャップビジョンの中国子会社が捜査され、従業員が尋問を受けている。

他にも3月に信用調査会社ミンツ・グループの北京事務所が家宅捜索を受け、スタッフ5人が拘束されていた。

中共の度重なる私企業への弾圧と不透明な司法制度に対し、外国ビジネス業界の信頼が揺らいでいる中、7月、中国では「反スパイ法」が施行された。

中共政府の情報機関・国家安全部は国民全体をスパイ活動に動員する意向を示し、功労者には報酬が与えられるとした。

米商工会議所は今年4月28日、「中国側の新たな『スパイ防止法』の枠組みの下で、この法律(反スパイ法)は国家安全に関連する書類、データあるいは資料を広範に定義し、一般的な商業サービスを提供する会社に対しても追加の審査を行い、中国での事業展開における不確実性とリスクを大幅に増加させている」と警告した。

在中国欧州連合商工会議所が6月に発表した「景況感調査2023」によると、リスク回避のために中国事業と本社を切り離している企業が増えている。