10月18日、習近平氏とプーチン氏は個別に会談を持ち、現在のデリケートな国際問題を議論した。
分析者の観点からすると、習近平氏とプーチン氏の秘密会談の主要議題は、アラブ諸国全体とイスラエルとの大規模な戦闘を推進する方法について話し合う可能性がある。これにより、中露両国は地政学的に一息つく機会が提供されるだろう。また、中国とロシアがイランと連携して、米国とイスラエルへの反撃の可能性も考慮する必要がある。
プーチンと習近平の秘密会談、イスラエル・パレスチナ問題の議論の可能性
10月17日、プーチン氏は北京に到着し「一帯一路」の10周年を記念するフォーラムに参加した。翌日、習近平氏との個別会談が実施された。
ロシアの通信衛星社が17日に伝えたところによれば、プーチン政権で大統領報道官であるペスコフ氏は、習近平氏との首脳会談でイスラエルとパレスチナの対立を議論する可能性があると明かした。
プーチン氏は中国訪問前に、習近平氏と電話会談で中東問題に関する意見交換を行った。現状は急速に変化しており、緊迫した状態が続いている。
ロシア大統領補佐官であるユーリ・ウシャコフ氏は16日に、プーチン氏が中国訪問中に習近平氏との間で実務的な協力や国際的な議題に関する具体的な問題を議論する予定であると述べた。
通常、中露の首脳間の「個別会談」の内容は公開されないため、これを「秘密会談(密会)」と呼ぶことがある。
時事評論家の李林一氏は「大紀元」へのコメントで、今回の習近平氏とプーチン氏の会談内容は、最近のイスラエルとパレスチナの戦争に触れる可能性が高いと指摘した。大規模なイスラエル・パレスチナ戦争は、米国の注意をロシア・ウクライナ戦争からそらすことができ、ロシアと中国には一息つく機会をもたらすだろう。
李林一氏によれば、現状、プーチン氏がアラブ諸国、特にイランを巻き込んで米国やイスラエルとの混戦を開始するのは、ロシアや中国にとって有利だとしている。
ロシアは、16日のプーチン氏とイスラエルのネタニヤフ首相との通話内容を基に、イスラエルの「女性や子供への攻撃」を批判していると解釈される。またこれを理由に、ロシアと中国は、協力して西側諸国に対する抗議やイランとの協力による米国やイスラエルへの反撃を検討する可能性も考えられ、今回のプーチン氏と習近平氏の秘密会談の主要な焦点である可能性がある。
専門家:プーチンとネタニヤフの通話は、イスラエルへの宣戦布告である
現地時間10月16日に、プーチン氏とネタニヤフ首相は電話会談をした。クレムリンからの情報によれば、両者は急激に悪化しているパレスチナとイスラエルの対立について協議したという。プーチン氏は、一般市民、特に女性や子供が被害を受けている行動を厳しく非難し、そのような行為に反対する立場を明確に示した。
ネタニヤフ首相のオフィスからの情報によれば、プーチン氏は中国と同じ立場を取り、パレスチナとイスラエル間の停戦を求めた。その日、プーチン氏はイラン、シリア、エジプト、そしてパレスチナ自治政府の指導者たちとも通話した。
イスラエルのテルアビブ大学の東アジア学部教授で、イスラエル問題の専門家である張平氏は、プーチン氏のネタニヤフ首相への通話が、自身の陣営を代表してのイスラエルへの宣戦布告であるとの見解を示している。
張平氏は17日にソーシャルメディアXに「中露とイスラエルの決裂」や「世界の陣営化」についての詳細な分析を掲載した。彼は、グローバル化の時代には「陣営」の意識が大きく薄れ、各国間の個別の関係が陣営の関係を超えて形成されていると指摘する。米国や豪州、欧州諸国、イスラエルは中国やロシアと独自の関係を築いてきた。しかし、ロシアとウクライナの対立やハマスのテロ攻撃を境に、この状況に変化が現れたと張平氏は述べている。
「イスラエルとウクライナは、戦争が勃発する前は中国共産党(中共)との関係が良好であったが、戦争の開始に伴い、それらの関係は意味を失った」と張平氏は分析する。彼によれば、中共の行動基準は「陣営基準」であり、イスラエルが西側の陣営に属しているという事実は変わらない。
張平氏は、多くのメディアや評論家が現在の国際的な出来事の背後にある「陣営」の枠組みを適切に理解していないと考えている。張平氏はプーチン氏とネタニヤフ首相の通話を「仲裁」と解釈するのは誤りで、それはイスラエルへの「戦争宣言」であると強調している。そして、米国が2つの航空母艦戦闘群を派遣し、バイデン氏がイスラエルを訪問するなどの動きは、米国が事態を正確に認識していることを示していると彼は述べている。
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