中国恒大の経営危機 カナダの有名ホテル・シャトーモンテベロにも及ぶ

2023/10/06
更新: 2023/10/06

中国の恒大集団の財政危機が、カナダのケベック州にある有名なシャトーモンテベロホテルに影を落としている。 100年近い歴史を持つこのホテルは、恒大によって買収されたが、近年の修繕や保護の不足によって老朽化の兆しが見え、地元政府や市民の間に深い不安と後悔を引き起こしている。

カナダGlobal Newsの10月2日の報道によると、1930年にオープンした全211室のシャトーモンテベロは、これまでに建てられたログハウスとしては最大である。カナダ精神の象徴でもあり、カナダの歴史において特別な位置を占めるシンボルでもある。シャトーモンテベロは、レーガン元米大統領をはじめ、多くの国際的な政治家、セレブ、王族をもてなしてきた。

恒大は2014年、オンタリオ州教職員年金の不動産部門からこのホテルを買収した。 金額は秘密。これは、恒大のカナダにおける最初で唯一の公表した投資であった。

恒大は、空いたホテルの敷地に新しいスイート・スタイルのホテル、高級住宅、高級スパを建設する計画を持っていた。しかし、これらの計画はどれも実行に移されず、今日、恒大は世界で最も負債を抱える不動産開発業者となり、負債総額は約45兆円を超えている。

2021年の恒大財政危機のニュースが流れた頃、ホテルの営業は通常通りであり、宿泊客も絶えることはなかった。しかし徐々に、一部の宿泊客からウェブサイトで建物の老朽化の様子を写真で公開されるようになった。メインエントランスの建物には腐りかけた杉材がはっきりと見え、汚く使い古されたカーペットはガムテープで貼り合わされていた。

報道によると、2020年のケベック州の裁判所文書に、このホテルが過去20年間大規模な修繕を行っていなかったことを認める、恒大モントリオールの副社長である趙宇(音訳)の証言があるという。

モンテベロのニコール・ラフランメ市長は、恒大の危機が最終的にモンテベロを犠牲にしていると懸念している。「数百人の地元の人々がそこで働いており、シャトーホテルは最大の雇用主であり、最大の納税者でもあります。とても心配です」

シャトーモンテベロホテルの状況について、恒大カナダ法人は、コメントを控えている。