このほど、中国における「新型コロナウイルス」によるとみられる感染の流行は、再び増加傾向にあり、各地の病院は大混雑していることがわかった。
今月23日、NTD新唐人テレビの取材に応じた上海市民の梅さんは、次のように明かした。
「上海で感染が再拡大している。病院は大混雑だ。3度目や4度目の感染(陽性反応)をする人も多い。一部の集合住宅では(ゼロコロナ政策の時のように)またも閉鎖や出入り制限などの措置を講じ始めている」
中国SNSウィーチャット(微信・WeChat)の上海市民のグループチャットのなかでも、「9月に学校の新学期が始まってから、多くの子供が感染し、発熱している」と明かす保護者も多い。
ある上海のネットユーザーによると「学校から帰ってきた娘が言うには、クラスでは咳をしている子ばかりだった」「うちの娘にも、とうとう発熱や咳などの症状が出始めた」という。
中国メディアによると、上海にある著名な児童医院(復旦大学附属児科医院)では13日、「受付開始から2時間で、すでに90人以上の発熱児童が診療を申し込んでいる。病院の1日の診察者数は900人に上る」という。
児童病院(小児科)が大混雑する事態は、上海に限らず、陝西省西安の病院でも見られる。西安の多くの幼稚園や小中学校は、生徒の家庭に「インフルエンザの予防」を呼びかけている。
このほか、北京市、四川省、雲南省など中国各地のネットユーザーは、それぞれ身の回りで、新型コロナと見られる感染者が増えていることを訴えている。
(9月23日、夜中の上海児童医院の様子)
中国の国家疾病管理予防局は先月19日、「現在、中国の多くの省でオミクロン株の新たな派生型であるEG.5(エリス)の感染が急拡大している」と明かしている。
しかし、最近起きている病院混雑の原因が「(単なる派生型ではない)本当の新型コロナによるものだ」とは、官製メディアは報じていない。
前出の上海市民の梅さんも「官製メディアは、新型コロナによる感染だとは報道しない。そのため、市民は混乱している」と話している。
中国当局は、この頃の病院混雑の原因は「マイコプラズマ肺炎(中国語:支原体肺炎)やA型インフルエンザ(甲流)などが原因だ」と主張している。
しかし、民衆のなかには「政府が再び隠蔽しているに違いない」「本当は新型コロナだろう。また呼び名を変えただけだ」と疑う声も多い。
「また」というのは、今回が初めてではないということだ。その前(今年初め)にも、PCR検査もせずに、コロナ感染と思われる患者に対して、全国の病院で同じゴム印を押すように「A型インフルエンザ(甲流)」と診断していたからである。
中国における感染の実態は、当局の隠蔽と情報封鎖のため極めて不透明になっている。そのため、感染に関する実情は、時折ネット上に流出する市民の投稿などから、その一端を伺い知るしかない。
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