一体どこまで続くのか。米テスラ社製の車に対する「高速道路への乗り入れ禁止令」「敷地立ち入り禁止令」「駐車禁止令」など、国内で販売しておきながら「締め出し」を加えるような仕打ちはこれまで中国各地で見られてきた。それに加えて、今度はテスラ車(EV)が充電する「公共充電スタンド」の使用まで禁じられたことがわかった。
今月11日にSNS投稿された動画にのなかには、中国人が所有するテスラ車に「公共の充電スタンド」で充電しようとしたところ、制服を着た現地の公安3人が駆け寄り、充電を阻止する様子が映っている。
テスラ車のオーナーは公安に対し、以下のように主張して納得のいく説明を求めた。
「私のテスラ車は、正規の手続きのもとで合法的に購入したものだ。税金もちゃんと納めている。それなのに、なぜ公共の充電スタンドを使わせてくれないのか?」
3人の公安は、オーナーの正当な質問に対して、まったく返答できなかった。ともかく、相手の質問を完全に無視し、何がなんでも充電させない態度だ。しかも動画には、公安の1人が、現場の様子を撮影していたオーナーの携帯電話を奪おうとした様子も映っている。
この動画がSNSに投稿されると、公安への批判が殺到した。
「テスラ車は中国で生産・販売できる。それなのに、なぜ使用を許可しないのか」
「我われ消費者にこんな嫌がらせをして、何が楽しいんだ。いっそのこと、テスラを中国から追い出せばいいだろう!」
「充電スタンドの使用にも、セキュリティが関わっているというのか?」
近年、中国の各地で、テスラに対する出入り禁止令が出されている。中国の四大車検基地の1つ「武漢動車段」はテスラの出入りを許可していたが、今月8日、地元の公安当局から「是正」を求められた。そのことを示す文書が、ネット上に出回っている。
今月2日には、浙江省杭州市の交通警察が、なぜかテスラ車だけを選んで呼び止め、高速道路への乗り入れを禁じている様子を映した動画も出回っている。テスラ以外の車は、たとえ国産車でなくても通行可能だったため、批判が殺到したばかりだった。
また今年5月、浙江省行政中心(センター)は「駐車スペース不足」を理由に、テスラ車の乗り入れを禁じる通達を出していたことも判明している。
昨年8月、江西省のラジオ・テレビ局が出す「テスラ車など外国製知能車の立ち入りを禁止する」通知もネット上に流出している。それによると、禁止理由は「セキュリティ管理のため」だという。
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