金正恩がロシアを訪問 プーチンと武器取引協議か

2023/09/08
更新: 2023/09/08

米国は、北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン) 朝鮮労働党総書記が今月中にロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行い、ロシア・北朝鮮間の武器取引を議論するものと予想している。

5日、米国家安全保障会議(NSC)のアドリアン・ワトソン報道官は、北朝鮮とロシアの武器交渉は「積極的に進められている」と明らかにした。

ワトソン報道官はロシアのショイグ国防相は先月北朝鮮を訪れ、「ロシアに砲弾を販売るよう説得した」とし、「ロシアは金正恩氏との首脳級外交接触を含め、このような対話が続くことを期待しているという情報がある」と明らかにした。

ワトソン報道官は、首脳会談がいつ行われるかについては具体的に言及しなかった。

4日、ニューヨーク・タイムズは、米国当局者と同盟国の情報筋を引用し、金正恩氏が早ければ来週、ロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する可能性があると報じた。

クレムリンは両首脳の会談の可能性についてコメントを拒否し、ドミトリー・ペスコフ報道官は火曜日、記者団に「何も言うことはない」と語った。

これに対し、韓国外務省のイム・スソク報道官は火曜日、「北朝鮮との武器取引に関連する協力は安保理決議に違反する」と強調し、朝鮮半島情勢に関する動向を注視していると伝えた。

ワトソン報道官はまた、「北朝鮮がロシアとの武器交渉を中断し、ロシアに武器を提供したり販売しないという公約を遵守するよう促す」と繰り返し強調した。

武器取引のための秘密交渉

これに先立ち、先月30日、ホワイトハウスは北朝鮮・ロシア間の武器取引に関連して「北朝鮮からロシアへ(ウクライナで使用する予定の)様々な種類の軍需品が相当量提供される可能性があり、これにはロシアの防衛産業に役立つ原材料の提供も含まれる可能性がある」と言及した。

この日、ホワイトハウスのジョン・カービー国家安全保障会議報道官は、北朝鮮が昨年末、ロシアの民間傭兵企業であるワグネルグループに武器を供給したことを挙げ、「ロシアは北朝鮮から追加の軍需品を確保するために積極的に努力している」と説明した。

カービー報道官は「ショイグ国防相が平壌を訪問した後、金正恩氏とプーチン大統領が書簡を交換し、二国間協力を強化することを約束した」と伝えた。

また米国が得た情報では、「北朝鮮はその後も別のロシア当局者を平壌に招待し、武器取引に関するフォローアップ協議を続けた」という。

また「米国は様々な情報手段を通じて状況を引き続き注意深く見守る」とし「今後も北朝鮮またはウクライナ戦争を支援する用意がある他の国家から軍事装備を取得しようとするロシアの試みを特定し、暴露し、対応していく」と明らかにした。

防衛協力強化

北朝鮮とロシアはこれまで武器提供について否定してきたが、これとは別に両国は防衛協力を強化する兆しを見せている。

昨年7月、ロシアの国防相としては1991年のソ連解体後、はじめて北朝鮮を訪問したショイグ氏は4日、北朝鮮・ロシア共同軍事演習の開催案を議論していると発言した

韓国の諜報機関である国家情報院は、ショイグ氏が金正恩氏に北朝鮮・中国・ロシア共同軍事演習を公式提案したことを把握している。

これについては、アレクサンドル・マチェゴラ駐北朝鮮ロシア大使も国営タス通信に対し、ロシアと中国の連合軍事訓練に北朝鮮を含める案が「適切だ」との見解を明らかにしている。

現在、米国は北朝鮮とロシア間の武器取引の関連疑惑で3つの団体に制裁を課した。

米下院の国家情報長官室(ODNI)の報告書によると、中国の国有企業は、欧米の制裁を受けるロシア政府所有の防衛産業企業に航行装置、妨害技術(ジャミング技術)、戦闘機部品などを供給したことが明らかになっている。

いっぽう、報告書は「中国当局がロシアにどの程度協力したかを正確に確認することは難しい」と付け加えた。

イランはまた、ウクライナで使用する数千機の自爆ドローンをロシアに提供している。また5月には、戦闘機、ヘリコプター、レーダーシステムと引き換えに、より多くのドローンと軍需品を提供する契約をモスクワと結んだ。