景気の低迷による「史上空前の就職難」が大きな社会問題になっている中国で、将来に不安をかかえる若者たちを中心に「神頼み」が流行っている。
また、一攫千金の夢をかなえる「宝くじ」のほか、特定の信仰に限らない「寺院巡り」や、コロナ前では少数派の趣味であった「タロットカード占い」が今では大人気だという。
オンラインでも学べる「タロット占い師」の養成団体は、コロナ前では年間を通じても約300人しか受講者がいなかったが、最近は2021年の上半期だけでも受講者が7万人以上に急増しているそうだ。シンガポールの華字紙「聯合早報」などが報じた。
また、中国財政省のデータによると、今年1月~5月までの全国の「彩票(宝くじ)」の売り上げは日本円でおよそ4兆3000億円と、前年同期比より1.5倍も増えたという。
今年3月以降、中国のSNS上では「学校に行かず、仕事もせず、ただ神頼みをする」というハッシュタグが流行っている。こうした「焼香青年(お参り青年)」は、中国の旅行業界の流行語ランキングの上位に入っている。
中国最大手の旅行サイト Ctrip(シートリップ)や去哪儿(チューナー)などが公表したデータによると、中国の寺院を訪れる今年の参拝客は前の年より4倍以上に急増している。このうち約半数の参拝者が20〜30歳の若者だという。
北京で最大規模のチベット仏教寺院「雍和宮」を参拝した観光客数は、コロナ禍が落ち着いたとされる3月~4月初めに限っても、前年の同期に比べて530%増加した。
中国の四大仏教名山の一つである「峨眉山(四川省)」へ訪れる旅行客(今年1月~5月)は248万人と、2019年同期比より53%増加。道教の聖地とされる「武当山(湖北省)」への旅行客(1月~3月)も同様に増えており、2019年同期比より23%増加していた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。