外国資本から米農地を守る 上院が超党派法案を発表

2023/07/20
更新: 2023/07/20

米国ウィスコンシン州の上院議員らは19日、外国資本による土地所有権の透明性と監視を強化する超党派法案を発表した。

保有面積について虚偽の報告をした所有者への罰則追加などを含む。議員らは、米国で増加する中国資本による土地購入を念頭に「国家安全保障や食糧供給を守る」と強調した。

「2023年農地安全保障法(Farmland Security Act of 2023)」は民主党のタミー・ボールドウィン議員と共和党のチャック・グラスリー議員が提出した。法案は、ペーパーカンパニーを含むすべての外国人投資家が保有農地を報告することを義務付け、虚偽の報告をした者には新たな罰則を科す。

その他、正確性を確保するために毎年コンプライアンス監査を実施することを農務省に義務付けるといった内容が盛り込まれた。

ボールドウィン氏は声明で「外国人投資家が農地を所有すれば、国家安全保障や国内食糧供給、地域社会を危険にさらしかねない」と指摘。「法案は、誰が米国の中西部地域を所有しているのかを、米国民と議会により明確に示すことになる」と強調した。

グラスリー氏も「外国資本の農地購入がもたらすリスクを評価し、監視するための情報を提供する」と法案の意義を強調した。

近年、外国資本による土地所有面積は増加しているものの、抜け穴や申告漏れにより、米政府はその面積を明確に把握することができていない。トム・ビルサック農務長官は3月、下院農業委員会の公聴会で、外国資本による土地所有記録を蓄積するためのプロセスがないことや、自発的な申告などを問題視していた。

中国共産党の脅威を念頭に、米国の各州議会は法整備に動いている。5月には、フロリダ州で中国企業による不動産取得を阻止する法案が成立し、法案に署名したデサンティス知事は「食糧供給を守ることは、安全保障の問題だ」と強調した。

大紀元日本 STAFF