今月22日、上海市内のある団地の住民から「家の水道の蛇口から、赤茶色の沈殿物が大量に混じった濁り水が出ている」との通報があった。
調査の結果、延べ8棟(132世帯)の集合住宅の上水道管が、赤いペンキを塗られた消火設備の配管に繋がれていることが判明した。中国メディア「新民晚報」が報じた。
開発業者によると、この集合住宅は8年前に建てられたものだが、特殊な場所にあるため、水道管は最初からそのように設計されており、市の関連部門の検査も「合格」しているという。
住民代表の斉さんによると、「そもそも消防用水は、消防隊が消火活動を行うための水源であり、生活用水とは異なる。消毒殺菌されていない再生水や雨水などを使用しており、飲用には達していない」という。
また消火設備の配管も、生活用水の配管とは異なり、錆びやすく、細菌繁殖しやすいとされている。
水道水がそのまま飲用できる日本とは全く異なり、中国では一般的に、上海や北京などの都市部もふくめて、安全上の理由から水道水を生のまま飲む習慣はない。
通常は煮沸して、お茶や調理につかうことで細菌感染を防いでいる。しかし今回のケースのように、水道水そのものに錆や有害物質が含まれている場合には、煮沸だけでは十分除去できないことになる。
住民の間では「この8年間、私たちがどれだけ汚い水を飲んできたか」と健康への懸念が高まっている。
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